弟(43)になりすまし運転免許証を更新したとして、警視庁城東署は29日までに、有印私文書偽造・同行使、免状不実記載、道交法違反の容疑で渋谷区広尾の職業不詳の男(45)を逮捕した。

 男は昨年8月23日、江東運転免許試験場で、弟の住民票と弟宛ての更新通知書、自分の顔写真を貼った申請用紙の3点を用いて、勝手に弟の名前で免許証の更新手続きを行った疑い。

 免許更新期限の8月25日に、本物の免許証を持った弟が更新しようとするも、すでに手続きが済んでいた。職員から指摘を受けた弟は立ち去った。不審に思った職員が確認したところ、昔の弟の写真と、申請用紙の写真が違っていた。2人の顔はよく似ているという。

 広尾の実家に2人で暮らしていた兄弟だが、弟は2年前に家出した。男は「免許がないと、帰ってきたときに困ると思った」と供述している。

 男は自分名義の免許証も所持している。この種の犯罪に詳しい事情通は「他人・家族名義の免許証を作るのは、おおかた詐欺が関係している」と話す。

 過去にはこんな事件もあった。交通違反で免許を失ったタクシー運転手の男が兄名義の免許証を取得して仕事を続けた。兄が病死すると、自分の死亡届を出して完全に兄になりすまし、不正に生活保護を受け取った。

「闇金からの借金。ケータイも作れる。免許証があれば金になる」(前同)

 今回の事件でも、男が利益目的で免許証を作った可能性はないのか。

「金に困っていたとか、詐欺をやっていたとか、そこらへんの捜査はこれからです」(城東署)

 ただし、家出した弟のために男が捜索願を提出していたことは事実で、男の供述にも一定の信ぴょう性がある。弟の行方は「免許更新に姿を見せてから、また行方がわかりません」(同署)。どこで何をしているのやら。