韓国南西部、珍島沖の旅客船「セウォル号」沈没事故で、海洋警察などは事故発生から5日目の20日、船内や海上から22人の遺体を新たに収容し、死者は58人、行方不明者は244人となった。海洋警察や海軍は船内への潜水士の進入ルートを複数確保。同日未明以降、遺体収容が相次いだが、生存者は見つかっていない。韓国史上最悪の船舶事故に一部の韓国メディアでは、セウォル号が日本製であることなどが取りざたされているが…。
聯合ニュースによると、運航会社が今月1日に作成した「セウォル号」の修理に関する文書に、操舵(そうだ)装置に異常があるとの記述があることが20日、分かった。合同捜査本部は20日も逮捕した船長ら関係者を事情聴取。光州地検幹部は、一部の乗組員が「非常時の安全教育を受けたことがない」と証言していると明らかにした。
また、捜査本部は過積載の有無や船を日本から購入した後の増築改造が適切だったかどうかを捜査するため、船の運航会社の幹部30人以上の出国を禁じた。
一部の韓国メディアでは今回の事故を日本と結び付けようとしている。まず、セウォル号自体が2012年に韓国に売却されるまで、日本のマルエーフェリー所属で「フェリーなみのうえ」として航行していたこと。
また、「2009年11月13日、日本の三重沖で発生した事故と今回のセウォル号沈没は“双子の事故”」と報じている韓国メディアもある。三重沖で転覆した船もマルエーフェリーのものだったからだ。
両事故とも、コンテナと貨物車などの貨物が片側に傾いたという点を指摘している。
しかし、三重沖の転覆事故は、高波という自然現象が原因。乗客と乗員は全員無事だった。さらに、セウォル号では前出のような改造の問題も指摘されている。
一方、光州地検幹部は19日、逮捕された女性3等航海士(25)の指示による旋回後に船がバランスを崩したと述べ、急旋回が事故の原因になったとの見方を示した。
韓国メディアによると、現場付近は船舶が針路を変更する「変針点」で、潮流が速く操船が難しいとされる。3等航海士が「速度を落として曲がるべきなのに、ほぼ全速力で進んで方向を変えた」と供述しているとの報道もあり、捜査本部は3等航海士の操舵指示の内容などを中心に調べを進めている。人災の面が強い。
もちろん、韓国紙「朝鮮日報」のように、「日本の『マルエーフェリー』は、今回の事故を起こした『セウォル号』を日本で18年間運航していた。その間、事故を起こしたことは一度もなかった」(19日付)と冷静に比較しているメディアもある。同紙は「韓国社会にごまんといる『セウォル号の船長』」として、今回の事故を分析している。
いずれにせよ、今回の事故を受けて専門家の間に上がった声は、なぜあんな場所を選んで航行したのかというものだ。
韓国船に関する事故といえば、2003年7月、福岡県沖の玄界灘で韓国の貨物船が、操業中の日本漁船に衝突し、乗組員7人の命を奪ったものがあった。韓国事情に詳しいジャーナリストはこう解説する。
「回避義務は韓国船側にあったのにもかかわらず、22歳の同船の船長はサーチライトによる注意信号を無視し突っ込んできました。漁船の間をすり抜けて通れると根拠のない目算をしたためです。しかも、この船長は、海に放り出された漁民の救助も行わず、当て逃げ同然で現場を過ぎ去っています。さらに、行方不明者捜索にかけつけた水産庁漁業取締船が別の韓国船に衝突を受けるというおまけまでつきました」
また、2007年12月には、仁川沖で香港船籍のインドのタンカーがサムスン重工業所有のタグボート及びクレーン船の衝突を受け、韓国最大の原油流出事故を招いた事故もある。
「このときも韓国側が航路を見誤り、なおかつ管制センターの衝突危険通知を無視しての事故で、まったくの人災です。韓国の船舶は今では海のならず者として、世界中の港から煙たがれています」と同ジャーナリストは指摘した。











