福岡県議会の蔵内勇夫議長が19日、議長を辞任する意向を正式に表明した。蔵内氏は〝県議会のドン〟と称される実力者。高額の海外視察問題や正副議長ポストをめぐる〝カツアゲ〟疑惑で批判の的となっている。
蔵内氏は長崎市内で取材対応し、「しかるべき時期に自ら判断し、(議長を)辞職したいと考えております」と話した。しかるべき時期については、9月の定例議会で政治倫理条例が制定されることがメドになるという。一方で議員辞職については「考えていません」と否定した。
蔵内氏をめぐっては議長職に対する辞職勧告決議案が県議会に提出されていたが、直前になって採決中止となったことに県民の多くが怒っていた。
採決中止の動議を提出した蔵内氏の元秘書だった林泰輔県議は18日に公式サイトを停止。Xでは「事務所の電話も鳴りっぱなしで業務に支障を来すために回線を切らざるを得ない状況です」(18日)と対応に苦慮している様子を明かしていた。19日にも「みなさんもうちょっと落ち着いてください」と呼び掛けるほど反響は大きいようだ。
県民の怒りを蔵内氏の議長辞任表明で収めることができるかは不透明。このままなら来年春の県議選で自民党に対する逆風が吹き荒れるかもしれない。
逆風には前例がある。都政関係者は「〝都議会のドン〟と呼ばれた内田茂氏は小池旋風の際に自らは引退し、後継者を出馬させましたが敗れました。逆風が吹くと厳しい」と指摘した。小池百合子都知事の起こした風に自民党は2017年の都議選で大敗していた。
蔵内氏が次の選挙にも出馬するかはまだ分からないが、本人でなくとも後継者はいるはずだ。しかし、そもそも蔵内氏は選挙が強いとは言えない。前回の県議選では蔵内氏9889票に対して、対立候補が8237票と迫っていた。
すでに蔵内氏の地元・筑後市選挙区では牛島慶二郎氏が無所属での出馬を表明。ほかにも県議選に関心を持つ日本維新の会や参政党なども候補者を立てる可能性がある。蔵内氏に疑惑をはねのける秘策はあるのか。












