フランス国民議会が29日にUFOシンポジウムを開催し、議員や専門家らは、UFOについて空想や都市伝説として扱うのではなく、科学的なアプローチで研究すべきだと訴えた。フランスメディア・20ミニュットが29日、報じた。
今回のシンポジウムは、科学社会学者アルノー・サン=マルタン下院議員と、数学者でありフランス議会科学技術評価局の元委員長ピエール・アンリエ下院議員が共同で開催した。ともに科学的かつ厳密な検証を重視している。
冒頭でサン=マルタン下院議員は「このテーマには相反する反応があります。驚く人もいれば、嘲笑する人もいます。『あなたはUFOを信じているのか?』と私自身も何度も聞かれました。私たちはアメリカ的なアプローチに強く影響されています。世界中の目撃報告の89%は米国からですが、フランスにも説明のつかない事例は存在します」と話した。
アンリエ氏は「この問題を落ち着いて議論するためには、国民を代表する議会という場で取り上げる必要がありました。未解明の目撃事例について、公的機関はどのように研究体制を整えるべきなのでしょうか」と述べた。
シンポジウムでは、航空技術者や軍・民間のパイロット、目撃者らが証言を行った。
フランス国立宇宙研究センター(CNES)のUFO調査機関「未確認航空宇宙現象研究情報グループ(GEIPAN)」のフレデリック・クルタード所長は「私たちの使命は、情報を広く公開し、不必要な批判を抑えることです」と説明。その一環として、調査資料を一般公開しているという。GEIPANは年間約200件の事例を調査しており、独自の分類基準に基づいて分析している。
また、GEIPANの調査員ギル・ミュンシュ氏は「証言は五感による観察ですが、それだけでなく記憶や文化、教育、信念、さらには宗教観にも左右されます。証言には主観が入り込むため、慎重な評価が必要です。写真や動画、各種観測機器の記録といった客観的なデータもありますが、それらの技術にも限界があります」と語った。
なお、GEIPANは調査した案件を次のように分類している。カテゴリーA「調査の結果、完全に正体が判明した現象」、カテゴリーB「調査の結果、おそらく正体が判明した現象」、カテゴリーC「データや情報が不足しているため、正体不明の現象」、カテゴリーD「調査後も正体不明の現象」。そのうちDに当たるのは全体の3・1%に過ぎないという。
米国では連邦議会でUFO公聴会が開催され、国防総省が「UFOファイル」を公開している。日本では超党派の「安全保障から考える未確認異常現象解明議員連盟」(通称・UFO議連)が活動している。
今回のフランスの動きについて、UFO研究家の竹本良氏は「フランス人ジャーナリストのチャールズ=マクソンズ・ライエ氏によると、議会で初めてUFOを論じたのはフランスで1954年のこと。そして、72年後にシンポジウムが開催されました。さすがデカルトの国ともあって、政治家ばかりでなく、社会学者や考古学者の意見も交え、『非合理的なUFOに対し科学的な分析をすることの重要性』が話し合われましたね。政治家や軍人が軸となる米国の情報開示とは一風異なるフランス哲学のスパイスが期待されます。それにしても、GEIPANがカテゴリーDと分類したものは何でしょうか。〝宇宙人〟への言及が気になるところです」と指摘している。












