北中米W杯1次リーグF組最終戦(米国・ダラス)の日本―スウェーデン戦(1―1)で、エルサルバドルのイバン・バートン主審がMF中村敬斗(スタッド・ランス)の短いソックスに対する指示などで議論を呼んでいる。なぜ国際サッカー連盟(FIFA)から高い評価を受けているのか、その〝理由〟を米メディアが指摘した。

 バートン主審は、中村の短いソックスに対して前半8分に上げるように指示し、後半11分に日本がMF前田大然(セルティック)のゴールで先制した直後には、はき替えるよう異例の指示を出した。

 中村の一時退場で流れが変わり、日本は同17分にスウェーデンのFWアントニー・エランガ(ニューカッスル)に同点ゴールを許した。

 バートン主審に対してはこうした指示のタイミングが不可解であることや、そもそもスウェーデン寄りの判定が多かった点などが批判されている。

 レベルが高いとされる日本人審判が2018年ロシア大会以降は主審を務めることができていない一方で、強豪国ではないエルサルバドル出身のバートン主審は今大会で早くも2試合で主審の大役を務めている。なぜFIFAからの評価が高いのか、中南米向けの米メディア「ボラビップ」が分析した。

「エルサルバドル出身の審判は、前回2022年のカタール大会で審判を務めており、W杯予選を含む国際大会での経験から、CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)で最も信頼されている審判の一人となっている」とその実績を強調する。

 ではいったい何がそこまで優れているのか。「バートンの審判スタイル」として同メディアはこう説明する。「厳格で規律を重んじる審判として知られ、試合が手に負えなくなってきたと感じた時には躊躇なくカードを出す。CONCACAF屈指の厳しい審判として名声を築いている」と指摘。カードを多く出す厳格な姿勢を前面に打ち出すことで試合を〝支配〟するタイプだという。

「彼の統計データはそのスタイルを反映している。最近の大会において、バートンは1試合あたり平均4~5枚のイエローカードを提示しており、これは国際試合においてカードを積極的に出す審判の一人であることを示す数字だ」。スウェーデン戦ではDF谷口彰悟(シントトロイデン)が今大会の日本で初めてイエローカードが出されたように、選手に対して極めて厳格な姿勢を示すのが売りだ。

 また「彼は今大会において、FIFAの最新規則を積極的に適用する姿勢でも注目を集めている。大会序盤、彼は相手選手との口論中に口を覆うことを禁じる大会規則に基づき、選手を退場させた最初の審判となった。この決定はサッカー界全体で議論を巻き起こしたが、競技規則の厳格な遵守を最優先する審判としての彼の評判をさらに高めた」。

 18日にトルコと対戦したパラグアイのMFミゲル・アルミロンが今大会から導入された〝口元隠し違反〟で一発退場となったが、史上初の決断を下したのがバートン主審だった。中村のソックスに対しても極めて厳しい姿勢だっただけに、規則を厳格に適用する点をFIFAは評価しているわけだ。

 なお、アルミロンの判定に怒ったパラグアイメディア関係者がFIFAのインファンティノ会長とバートン主審を強く非難したとして、取材資格が剥奪され大会から追放処分となったことも注目された。