勝利目前の甲子園が、わずか13球で暗転した。阪神は23日のヤクルト戦(甲子園)に3―4で逆転負けを喫し、連勝は3で止まった。1―0の8回、3番手でマウンドに上がった岩崎優投手(35)が誤算だった。先頭の長岡に中前打を許すと、続く増田にも詰まった当たりを右前へ運ばれ、無死一、二塁。犠打で1死二、三塁となった後、オスナを四球で歩かせ、満塁のピンチを背負った。

 ここで岩田に初球の133キロスライダーを捉えられ、左翼越えの逆転2点適時二塁打。なおも代打のサンタナを申告敬遠して再び満塁とすると、赤羽にも右前へ2点適時打を浴び、一気に1―4とされた。岩崎は13球で4安打2四球。犠打による1死を取っただけで降板し、石黒にマウンドを譲った。

 岩崎にとっては14日のオリックス戦(京セラドーム大阪)以来の登板で、甲子園では6日の楽天戦以来だった。間隔が空いた中で詰まった当たりが安打になる不運もあったが、終盤の1点差を託されたベテラン投手が踏ん張れなかった現実は重い。試合後は「次、頑張ります」と短く語るのみ。藤川球児監督(45)は「あの1―0でなかなか難しいゲーム展開ですから、また切り替えて明日以降やってくれればなと思います」とかばった。

 8回裏には大山の11号2ランで1点差まで迫ったが、反撃は及ばなかった。今季の阪神は石井を欠く中、終盤の勝ちパターン構築が課題。交流戦からにじんでいたブルペン運用の苦しさは、リーグ戦再開後も拭い切れていない。

 岩崎への信頼がすぐ揺らぐことはないだろう。それでも1点を守る終盤で起きた逆転劇は、今後の起用法に慎重な判断を求める材料となった。阪神は巨人に同率首位で並ばれ、3位・ヤクルトにも0・5ゲーム差に接近された。藤川阪神の終盤力が、改めて問われる一敗だ。