サッカー日本代表は20日(日本時間21日)、北中米W杯1次リーグF組第2戦(メキシコ・モンテレイ)でチュニジアに4―0で快勝した。MF伊東純也(33=ゲンク)はW杯初ゴールをマーク。進化を続けるスピードスターは、どんな場面でも動じない〝マイペース思考〟を兼ね備えている。

 右シャドーで先発した伊東は2―0の後半24分に魅せた。FW上田綺世(フェイエノールト)の縦パスに素早く反応すると、右足で流し込んだ。2018年ロシアW杯でのMF本田圭佑(当時32)を上回るW杯日本人最年長弾に、「いい抜け出しから冷静に決められてよかった」と頬を緩めた。

 今大会は14日(同15日)のオランダ戦でMF久保建英(レアル・ソシエダード)が左ヒザを負傷。伊東はジョーカーの役割を担っていたが、この日は先発としても存在感を示した。想定外の事態に巻き込まれても、ピッチで結果を残すのが伊東の強み。強心臓ぶりは学生時代から発揮されていた。

 神奈川・逗葉高時代の伊東をスカウトした神奈川大の大森酉三郎監督は、入学前の様子を今でもはっきり覚えている。「入試に高校生がいっぱいいて、大学の指導者もいて、大学1年生が対戦相手なので、緊張したり、普段よりも返事を大きくしたりじゃないですか。でも本人は力が抜けていて、もうちょっと真面目にやれよって感じだった」と回想。人生を左右する大勝負でも、平常心を貫いていた。

 神奈川大入学後もらしさは全開だった。合宿時の夕食は最後の方まで残って食べているケースが多かったという。伊東の3学年上にあたる大野洋樹さんは「一定の量を食べる決まりはあったけど、自己責任なのでチェックとかはなかった。みんなはサッと食べてお風呂に入ったり、夜も練習がある時は準備をしたりする。1年生の時は練習の準備とかもあるはずだけど、ゆっくり1人で食べていましたね」と振り返る。

 ただ、食事後は他の1年生とともに準備に参加するなど、和を乱すことはなかった。「別にアウトローな感じではなかったし、自分のペースで動いていただけだと思う。要領がいいタイプでやることはやる感じかな」と笑う。卒業に必要な単位も3年時の段階でほぼ取得。最後の1年間はサッカーに専念するなど、自分の軸で行動し続けた。

 この日の勝利で日本代表は決勝トーナメント進出に大きく前進。第3戦のスウェーデン戦(25日=同26日、米国・ダラス)は、1位通過を目指す戦いとなる。伊東は「次も勝ってしっかりグループを突破して、次に向かいたい」。持ち前の不動心でチームを勝利に導く。