出口の見えないブルペン炎上が、ついに緊急補修の乱れ打ちを招いた。借金7で揺れるツインズが早くも今季3人目となる救援投手のトレードに踏み切り、米球界に波紋を広げている。

 米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は8日(日本時間9日)、ツインズがダイヤモンドバックスからテイラー・ラシ投手(30)を金銭トレードで獲得したと伝えた。

 ラシは今季メジャー3試合で防御率9・82。4月5日(日本時間6日)のブレーブス戦では1回を完全投球し、同9日(同10日)のメッツ戦でも2回完全、3奪三振と好投した。ただ、同13日(同14日)のオリオールズ戦では7―1と大量リードの6回1死から登板し、満塁弾を浴びて評価を落とした。

 それでもツインズにえり好みする余裕はない。6日前の1日(日本時間2日)にはパイレーツからジャスティン・ローレンス投手(31)、5月7日(同8日)にはメッツからヨエンドリス・ゴメス投手(26)をいずれも金銭で獲得。救援陣の防御率は4・87でメジャー25位、終盤の接戦でのWHIPは1・75で30球団ワーストという惨状だ。昨季のトレード戦線で主力救援陣を放出したツケが、今になって痛烈に跳ね返っている。

 苦境をより際立たせているのが、ア・リーグ中地区の構図だ。8日(同9日)時点でガーディアンズが37勝31敗で首位、ホワイトソックスが34勝31敗で1・5ゲーム差の2位につけ、2強ムードを漂わせている。対するツインズは30勝37敗で3位。首位とは6・5ゲーム差、借金7のまま足踏みし、本来なら追われる側にいたはずのチームが、完全に追い込まれる側へ回った。

 その〝とばっちり〟の象徴がホワイトソックスの異変だ。村上宗隆内野手(26)は右ハムストリング負傷で10日間の負傷者リスト入りし、4~6週間の離脱見込み。それでも移籍1年目から20本塁打、41打点、OPS・938と放った衝撃は、低迷続きだったシカゴに強烈な怪刺激を残した。村上不在でもチームが簡単に失速しないことで、ツインズの焦燥は一段と増している。

 ラシはマイナーで奪三振力を示し、トリプルAでは97回2/3で101奪三振、ダブルAでは95回で128奪三振をマークしている。ただ、今回の補強は大型補強というより延命措置に近い。7回以降を守れないチームに浮上の道は開けない。ツインズがこの場当たり的なブルペン再建で踏みとどまれなければ、次に迫るのは買い手としてのトレードではなく、売り手転落の現実だろう。