ホワイトハウス銃撃事件を起こした男が23日、現場で射殺された。自らをイエス・キリストだと主張していたという。4月にもトランプ大統領が出席した夕食会で発砲騒動があったばかり。トランプ氏の周辺にはキナ臭い動きが続いている。

 トランプ氏は24日、自らのSNSトゥルース・ソーシャルに「暴力的な過去を持ち、わが国で最も大切にされている建造物に異常な執着を抱いていた可能性のある銃撃犯に対し、今夜、迅速かつプロフェッショナルな対応を行った偉大なシークレットサービスと法執行機関に感謝する。銃撃犯はホワイトハウスの門付近でシークレットサービス隊員と銃撃戦となり、死亡した」と投稿した。

 メリーランド州出身のナシール・ベスト容疑者(21)は23日午後6時10分ごろ、ホワイトハウスの警備検問所へ歩いて近づき、リボルバー拳銃を発砲した。数発を撃った後、シークレットサービス隊員によって射殺された。

 トランプ氏はホワイトハウス内で無事で、容疑者は敷地内に入ることはなかった。ただし、銃撃戦で、通行人の1人に流れ弾が当たったという。

 複数の米メディアによると、ベスト容疑者は2025年6月26日、ホワイトハウス施設の一部で「車両進入を妨害した」として強制的に病院へ収容された。さらに同年7月10日にも、ホワイトハウスの検問所を通過しようとして警察官に逮捕されていた。その際、「自分はイエス・キリストだ」と主張しながら、「逮捕してくれ」と懇願していたという。また、容疑者のSNSには「私は本当に神の子だ」と書かれた投稿もあった。

 今回の事件は、以前からマークされていた人物が、米国で最も厳重に警備されている場所の一つで発砲事件を起こしたことから、全米の注目を集めている。

 トランプ氏をめぐる騒動では、ホワイトハウス記者会が主催した4月25日夜の夕食会で、男がワシントン・ヒルトンホテルに侵入し、トランプ氏と約2500人の来場者が集まっていた宴会場の外で4~8発発砲するという事件があったばかり。

 さらにトランプ氏の周辺では、長女イヴァンカ氏への暗殺計画も明らかになったばかりだった。米紙ニューヨーク・ポストは先日、イランのイスラム革命防衛隊に訓練されたテロリストによる暗殺計画の標的になっていたという。

 最近拘束されたイラク国籍のモハンマド・バケル・サード・ダウード・アル=サーディ被告(32)が「イヴァンカを殺害する」と誓いを立て、イヴァンカ氏のフロリダの自宅設計図まで所持していたという。

 6年前にバグダッドで行われた米軍ドローン攻撃でイラン軍司令官が殺害されたことへの報復として、トランプ氏の家族を狙っていたとされる。

 アル=サーディ被告は5月15日にトルコで逮捕され、その後、米国に移送された。米司法省によると、欧州と米国内で18件の攻撃および未遂事件に関与した罪で起訴されている。

 トランプ氏をめぐって不穏な空気が流れている。