メジャーの壁は、やはり厚い。ブルージェイズの岡本和真内野手(29)が、メジャー1年目の試練のただ中にいる。15日(日本時間16日)、敵地ブルワーズ戦に「5番・DH」で先発出場し、3打数無安打1四球1三振。チームも1―2で敗れた。同日時点の今季成績は61打数13安打、打率2割1分3厘、2本塁打、4打点、OPS.622。数字だけを見れば、決して順風満帆とは言えない。

 勢いが鈍った境目もはっきりしている。岡本は開幕から5試合で20打数6安打の打率3割、2本塁打、3打点と上々の滑り出しを見せた。ところが、1日(同2日)以降は11試合で41打数7安打、打率1割7分1厘、本塁打なし、1打点。直近7試合でも27打数5安打の打率1割8分5厘と、打撃成績は目に見えて落ち込んでいる。華々しいスタートのあとに、メジャーの投手力と配球の厳しさが一気に押し寄せてきた形だ。

 ただ、MLB公式サイトが映し出した岡本は、単純に苦しんでいる打者ではない。訪れる球場、街、チーム宿舎のホテル、空港のすべてが初めてで打席と向き合う投手も三塁で向かい合う打者もほぼ未知の相手。通貨も文化も言語も違う環境の中で、ブルージェイズは最初から「忍耐」を織り込んでいた。

 ジョン・シュナイダー監督(46)は打席で「より大きく、よりアグレッシブな動き」を取り戻してほしいと見ており、岡本自身も「今はちょっとしたスランプにすぎない」と受け止めている。

 守備でも課題はある。岡本が強調したのは技術そのものより、まずは「MLBのグラウンドに慣れること」だった。三塁の打球の跳ね方、日本より深い守備位置、そして同じア・リーグ東地区のライバルであるヤンキース主砲アーロン・ジャッジ外野手(33)級の打者が放つ強烈な打球――。日本では当たり前ではなかったものに、毎日体を合わせてアジャスト(順応)している段階だという。岡本本人は同サイトにトロントの街並みに東京の雰囲気を感じるとも語っており、新天地での生活そのものを受け入れながら自分の居場所を築こうとしている。

 確かに開幕直後の勢いは止まった。それでも、この停滞を「失速」の一言で片づけるのは早い。岡本は今、結果を求められるア・リーグ東地区の緊張感の中で野球そのものだけでなく生活のすべてをメジャー仕様へ切り替えている。数字はまだ物足りない。だが、壁の正体をのみ込みながら前へ進む時間は決して無駄ではない。次の一本はただの安打ではなく、岡本が新天地の野球に足場をつくり始めた証しになるはずだ。