自治体の要請でヒグマを駆除したのにもかかわらず猟銃の所持許可が取り消された件をめぐって、最高裁で逆転勝訴していたハンターの池上治男氏の猟銃が返還されていないという。

 北海道猟友会砂川支部長の池上氏は2018年にライフル銃でヒグマを駆除。しかし、北海道公安委員会はこの発砲が住宅に弾丸が届く可能性があったとして所持許可を取り消し。池上氏は処分取り消しを求めて訴訟し、今年3月の最高裁判決で逆転勝訴。北海道公安委員会は池上氏に謝罪し、猟銃は返還されたはずだった。

 14日、返還後初めて池上氏はヒグマの生息調査に猟銃を携行して参加。ヒグマの痕跡がないかを確認し、パトロールを終了した。報道陣に「銃があるのはハンターにとって当然」と語っている。

 一方で地元メディアでは猟銃を検察が処分していたと報道された。北海道ニュースUHBによると、返還された猟銃とは別の猟銃が池上氏に返還されていないという。その猟銃は18年の件で発砲したものだった。

 検察が廃棄してしまったといい、SNSで「意味分からん」「むちゃくちゃだ」と検察批判が殺到している。

 昨年は日本各地でクマの出没が相次いだ。冬眠が終わり、これからクマがまた人間の生活圏で目撃され始めるかもしれない。それだけにハンターの役割は大きい。ところが、こんなことが起きてはハンターたちが萎縮しかねない。

 自治体関係者は「この前の最高裁判決の件もそうですが、ハンターの間で国や行政への不信感が高まっています。とはいえ、クマ対策にはハンターの力が必要です。警察がクマに対応できるかというと訓練していないので難しい。餅は餅屋ですよ。ハンターのやる気を削ぐようなことはやるべきではない」と話した。

 池上氏に対する誠意ある対応が求められている。