3週間、目撃情報はないが…。千葉・浦安市で先月から目撃されていたイノシシが12月2日を最後にこつぜんと姿を消した。どこへ行ってしまったのか。そもそも最初からいたのか、謎を追った。

 市内でのイノシシ目撃情報は11月5日未明からだ。東京メトロ東西線浦安駅近くの北栄地区を皮切りに同市を縦断する形で、各所に出没した。全国でクマ被害が騒がれている中、市街地に出現したイノシシは話題になった。

 連日寄せられていた目撃情報は12月2日のJR新浦安駅南側の明海地区が最後となっている。同月3日には市と警察による捜索活動を行ったが、発見できなかった。墓地公園内に仕掛けていた箱ワナも同月11日に撤去されたが、市の環境保全課担当者は「今、いるのかいないのか言い切れる状態ではない」と話した。

 このイノシシは11月3日に千葉・松戸で目撃されて以降、江戸川沿いを南下し、東京・江戸川区内で目撃されていた個体と同一の可能性が高いとみられていた。イノシシは冬眠せずに越冬するが、活動量は落ちるとあって、いまだどこかに身を潜めている可能性はある。江戸川上流エリアに戻った可能性もあるが、近隣自治体での目撃情報はない。また海や川を泳げることから東京湾に飛び込み、房総半島にたどり着いて生き延びているか、途中で死んだ可能性もある。

 一方で、そもそもイノシシが市内にいたのか疑問も残っている。江戸川区内での目撃例ではドライブレコーダーで動いているイノシシの姿が撮影されていたが、浦安市内での20件近い目撃情報では動画や写真はない。「目撃情報が寄せられた時に出動したが、一度も目視すらできていない」(市担当者)

 3日の捜索でも、イノシシがいた形跡は確認されなかった。防犯カメラ等でもその姿をとらえられていない。緑が多く、茂みも多い同市にはハクビシンやタヌキの生息が確認されている。目撃情報は夜から明け方の暗い時間帯で、日中は皆無。野犬はいないというが、4本足で歩く小動物がイノシシと誤認された可能性もある。

 動向がつかめない中で、市側は再び目撃情報が寄せられればパトロールや捜索活動を行うとしている。