東京大学公共政策大学院教授の鈴木一人氏が2日、都内の日本記者クラブで「イスラエル・米の対イラン攻撃 背景と影響」をテーマに会見を開き、今後の見通しを語った。

 米トランプ大統領が日本時間の2日午前、イラン情勢について国民に向けに演説を行い「イラン攻撃での目的はほぼ達成された」と成果をアピールする一方で、今後2、3週間攻撃を続けると表明した。

 鈴木氏は「いつ終わるということは説明しなかった。つまりアメリカの撤退表明ではないのが、今回の演説のミソなのではないかと思っています。イスラエルと共にやっている戦争なので、どこに着地点を求めていいのか分からない状況を(アメリカは)経験している」と解説した。

 ホルムズ海峡封鎖による原油の高騰が世界経済に混乱をもたらしている。紛争の長期化が懸念されるなか、その影響について鈴木氏は「残念ながら明るい話はどこにもない。石油ショックを超えるような歴史的な原油供給の混乱が起きる」と予想する。

 紛争の行方を握るのがホルムズ海峡。「ホルムズ海峡の封鎖はイランにとってコスパがいいやり方。そこを通るタンカーをランダムに攻撃するだけで、多くの船は通れなくなってしまう。(封鎖を解除するには)アメリカとイスラエルが、イランを攻撃しませんという状態を作らないといけない。攻撃しないという保証をどうやって成立させるのかが非常に難しい問題」と指摘した。

 最後に「国際社会に対する影響が甚大なことをトランプ大統領が深く考えずにやってしまったことが不幸の始まり」と述べた。