ボストンが誇る〝聖地〟にも、ついに商業化の波が及ぶのか。ボストンを拠点とし、レッドソックス親会社も共同所有する地域スポーツ専門放送局「NESN」(電子版)は28日(日本時間29日)、レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークについて将来的な命名権売却の可能性を球団側が否定しなかったと報じた。発言したのは球団社長兼CEOのサム・ケネディ氏(53)。歴史と伝統を象徴する本拠地だけに、仮に現実味を帯びれば大きな反響を呼びそうだ。
フェンウェイ・パークは1912年開場。現存する大リーグ最古の球場として知られ、レッドソックスの歴史そのものを体現する存在でもある。左翼のグリーンモンスターに象徴される独特の景観を含め、その名称自体が球団のブランド価値と深く結びついている。
そうした中で注目を集めているのが、ドジャースの動きだ。ドジャー・スタジアムは今オフ、フィールド命名権を日本のアパレル大手ユニクロに売却し、新たに「ユニクロ・フィールド・アット・ドジャー・スタジアム」となった。歴史ある球場でも収益拡大を優先する流れが鮮明になったことで、同様の手法が他球団へ広がる可能性も取り沙汰されている。
NESNによれば、ケネディ氏は地元有力紙「ボストン・グローブ」のティム・ヒーリー記者に対し「われわれは常に収益を増やす方法を模索している。そのことを隠すつもりはない」と説明。その一方で「現時点では、その件について検討していない」とも述べ、直ちに具体化する段階ではないとの認識も示した。
レッドソックスはすでに球場内の芝生部分に広告を掲出しているが、球場名そのものに企業名を組み込むとなれば意味合いはまったく異なる。補強資金の確保へ向けた現実路線と受け止める向きがある一方で、名門の象徴に手を付けることへの反発も予想される。フェンウェイの名が揺らぐかどうかは、ボストンだけでなくMLB全体の価値観を映す試金石にもなりそうだ。












