【ロサンゼルス】ドジャースの大谷翔平投手(31)がさらに“凶暴化”し、アーチを量産する――。MLBは今季からストライク・ボール判定を機械が補助する「ロボット審判(ABSチャレンジ)」を導入する。「クサいコース」の判定がシビアになる中、恩恵を受ける可能性が高いのがゾーン内での勝負を得意とするロングヒッター。それが大谷だという。
MLBで今季から採用される「ABSチャレンジ」は投手、捕手、打者が球審の判定を不服とした場合、1試合2回までチャレンジを表明することが可能。判定が覆れば回数は減らない。
今季のオープン戦では、球審がど真ん中へのコースをボール判定していることが、ABSにより“バレて”しまったケースも…。現場ではまだ、困惑と試行錯誤が続いている。
世界に先駆けて2024年からABSをフル運用しているのが韓国プロ野球(KBO)。こちらも導入当初は混乱とトラブルが相次いだものの、「2年間やってみて分かったのは、ABSは非常にいいシステムだということ。個々の球審のクセやヒューマンエラーが一切なくなったことで、判定が明確で公正になった」と韓国球界の関係者は語る。
これまで“優秀な捕手”はゾーン外のボールをフレーミングで「ストライク」と判定させる技術を持っていたが、それが今後は使えなくなりそうだ。前出の関係者によるとKBOの投手たちは、ABS導入以降「クサいコースでごまかすことが難しくなったため、ゾーン内での積極的な勝負が増えるようになった」という。MLBもこの流れになる可能性は高い。
一般にABSによる恩恵を最も受けそうなのはフアン・ソト外野手(メッツ)のような選球眼のいい打者だとされている。だが、国際経験豊富な日本球界関係者は「大谷も相当な恩恵を受け、今季は打撃成績をさらに向上させると思う」と語り、その理由を以下のように説明する。
「大谷はそこまで選球眼がいい打者ではなく、これまではゾーン外の誘い球に手を出して打ち取られるケースも多かった。だがゾーン内に来た球は相当な確率で遠くへ飛ばすことができるタイプ。ABSチャレンジの導入により、クサいコースでの駆け引きが減るとなれば、彼にとってはメリットでしかない。特に本塁打数、長打率などの打撃成績がさらに伸びていくとみている」
MLBのデータ解析ツール「スタットキャスト」によると昨季の大谷は2865球投げられ、うち560球が打率9分3厘の外角低めのボールゾーン、484球が打率2割1分9厘の内角低めのボールゾーンだった。これが外角低めのストライクゾーンだと打率3割2厘、内角低めのストライクゾーンだと打率4割1分2厘に跳ね上がる。ABSの効果でボール1個上がれば、大谷無双は間違いなさそうだ。












