開幕前から、もう「格差」は残酷なほど見えている。米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下の米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」で元レッズ、ナショナルズGMのジム・ボウデン氏(64)が全30球団のラインアップを格付けし、頂点に置いたのはやはりドジャースだった。
大谷翔平投手(31)、ムーキー・ベッツ内野手(33)、フレディ・フリーマン内野手(36)、カイル・タッカー外野手(29)が並ぶ打線はもはや反則級。ウィル・スミス捕手(30)、テオスカー・ヘルナンデス外野手(33)、マックス・マンシー内野手(35)まで続けば、相手投手に休む暇はない。
4位のブルージェイズも強烈だ。ウラジミール・ゲレロ・ジュニア内野手(27)を軸に、ジョージ・スプリンガー外野手(36)らが並ぶ中、新加入の岡本和馬内野手(29)は「穴埋め」ではなく打線改造の「爆薬」として期待された。7位カブスでも鈴木誠也外野手(31)はWBCで右膝を負傷し、後十字靭帯の軽度損傷と診断され〝開幕アウト〟となったものの「中軸を担う主力」として計算。日本人野手はもう話題枠ではなく、打線の設計図そのものに組み込まれている。
その一方で、下位に沈んだ球団の顔ぶれはなかなかに生々しい。9位のレッドソックスは決して低評価ではないが、記事の軸足はローマン・アンソニー外野手(21)、ジャレン・デュラン外野手(29)、トレバー・ストーリー内野手(33)らに置かれ、吉田正尚外野手(32)の名前は前面に出てこなかった。チーム内での立ち位置が埋没している現実を感じさせる。
さらに28位のホワイトソックスは、村上宗隆内野手(26)を獲得しながらも低空飛行の予想。ボウデン氏はその長打力を高く見つつ、コンタクト面の粗さにも触れており、メジャー挑戦がいきなり〝救世主〟ではなく〝試金石〟としての査定で始まっていることが透ける。期待値こそあるるものの、まだ信用は勝ち取っていないということだ。
さらに29位には、菊池雄星投手(34)を擁するエンゼルスが沈んだ。もっともこれは打線の格付けであり、投手の菊池に直接責任はない。だが、ザック・ネト内野手(25)、マイク・トラウト外野手(34)、ジョー・アデル外野手(27)を抱えながら、この位置に置かれた事実は重い。
そして最下位の30位は、菅野智之投手(36)が所属するロッキーズ。ハンター・グッドマン捕手(26)、ブレントン・ドイル外野手(27)、エゼキエル・トーバー内野手(24)がいても、高地のクアーズフィールドが本拠地でありながら、この低評価では救いがない。
今回の格付けが突きつけたのは、大谷のドジャースが「別世界」にいる一方で、村上は試され、吉田は埋もれ、菊池と菅野は打線の援護すら怪しい環境に置かれているという現実だ。日本勢の看板は確かに多い。しかし、所属球団の土台まで見渡せば、置かれた戦場の差は想像以上に大きいということだ。













