ドジャースが開幕前から他球団との差をさらに広げた。米紙「ニューヨーク・ポスト」の姉妹紙「カリフォルニア・ポスト」で、地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」から転じた人気名物コラムニストのディラン・ヘルナンデス記者が太鼓判を押した。

 チームはアリゾナでスプリングトレーニング中に行われたオープン戦(カクタスリーグ)では19勝8敗1分け。数字自体に大きな意味はないにせよ、その中身はむしろ不気味なほど整っている。主力に深刻な故障者は出ず、チーム内に不穏な火種もない。まさに王者のまま、静かに開幕へ滑り込もうとしている。

 最大の関心は、やはり大谷翔平投手(31)だろう。カクタスリーグでは打率1割6分7厘と数字だけ見れば低調だが、現地では「最も心配のいらない打者」という扱いだ。実際に今大会の第6回WBCでも4試合で打率4割6分2厘、3本塁打、7打点、OPS1・842を記録。2023年大会からのWBC通算でも11試合で打率4割4分4厘、4本塁打、15打点と、春先の国際大会で残し続けた数字が「別格」を裏づけている。

 しかも昨季は6月中旬まで実戦登板できなかった二刀流右腕が、今季はオープン戦最終戦で先発し、そのまま開幕ローテへ入る見通し。打線の核でありながら、投手としての再始動まで視野に入る現状は、他球団からすれば厄介極まりない。

 さらに不気味なのは、ベテラン勢の〝若返り〟だ。ムーキー・ベッツ内野手(33)は打率2割9分2厘、テオスカー・ヘルナンデス外野手(33)は打率4割3分2厘、17打点、フレディ・フリーマン内野手(36)は4割1分9厘。マックス・マンシー内野手(35)やミゲル・ロハス内野手(37)も健在ぶりを示した。若手ではアンディ・ペイジス外野手(25)も打率3割4分1厘で不安を一掃。山本由伸投手(27)も順調で、タイラー・グラスノー投手(32)にも好感触が漂う。

 大谷の打率だけを見て不安視する段階ではない。むしろ大谷がまだ本調子でなくても、これだけ回る――。そこに今季のドジャースの底知れなさがある。王者は休まない。ディラン記者の見立て通り、さらに分厚くなって開幕を迎えようとしている。