目指すワールドワイドの姿とは――。2月25、26日に台湾遠征を行ったソフトバンク。海外でのプレーは選手にとって大きな刺激となったが、それは球団にとっても同様だった。台湾野球の大きな特徴であるチアリーダー文化を現地で感じ取ったのが「事業統括本部マーケティング企画部部長兼エンターテインメント推進部課長」を務める稲永大毅氏(49)だ。この遠征ではホークスのチアガール「ハニーズ」の選抜メンバーたちも訪台してパフォーマンスを実施。そこで得た刺激と今後への取り組みとは…。その中身を聞いた。

目の前の席はチケット高額!凄まじい人気を誇る台湾のチアガールたち
目の前の席はチケット高額!凄まじい人気を誇る台湾のチアガールたち

 ──現地で感じた台湾チアのすごみとは

 稲永氏 一人ひとりの(チアが)持っているパワーがすごいですよね。(球場にある)パネルを見ても、日本だと選手のパネルなんですけど、(台湾は)チアのパネルが設置されている。いかに人気がすごいかわかる。

 ──その中で日本のチアの色を出すことを考えた

 稲永氏 そもそも文化が全然違うので。台湾のチアの方は自分がいかに目立つかみたいなところで勝負されていると思うんですけど、日本のチアは光でもあり陰でもある存在。結局、野球のプレーの盛り上がりに勝てるものってないと思うんですよ。そこをいかにもっと盛り上げれるか。陰の存在は大きいと思います。

 ──台湾の応援文化から利益的な面から参考になる部分はあるのか

 稲永氏 台湾ではチアの前の席が一番高額だと聞いています。野球は箱物で席数の上限が決まっているので、ひとつのヒントにはなると思う。ただ、いきなり目の前にチアがいて視界が遮られるとなると、それはそれで別の問題が出るので。仮にやるとしても、長い時間がかかると思います。

 ──ハニーズの特徴としては

 稲永氏 ウチはプロとしてダンスも頑張ってやっているので。踊りの1個1個のちょっとした違いなんですけど、その辺は向こうのチアとは違うなと感じました。

 ──ハニーズのメンバーにとっても、この遠征は刺激になった

 稲永氏 彼女たちの活動って、ほとんどが(本拠地の)みずほペイペイドームでのものなんですね。(パリーグの)他球団のスタジアムに年1回ずつ行くんですけど、そこのメンバーに選ばれるのも非常に喜んでいる。それが台湾となると「私、パスポート持ってます!」っていうアピール合戦から始まっていましたね。大きな刺激になったと思います。

 ──もともとホークスは2002年に台湾で公式戦を行うなど、交流があった

 稲永氏 その中でなかなかチアとしてのつながりが持てていなかったんです。もう一回「目指せ世界一」という球団のスローガンを考えた時に、ワールドワイドの取り組みをやっていかないといけない。その一環として一昨年から台湾(をオーディション会場とした)チア採用を始めました。

 ──2024年には台北出身のメンバーが1人加わり、今年からは新たに2人が加入した

 稲永氏 今までは片言でも日本語が話せる人だったんですけど、今回入った2人は日本語はほぼしゃべれない。それでも(ハニーズのメンバーに)選んだんですね。これによってお互いの文化を学ぼうという雰囲気は強まっている気がします。

 ──新たな挑戦

 稲永氏 苦しいところもあるんでしょうけど、今までだと台湾メンバーが日本語を頑張って勉強して日本のメンバーに合わせていたんです。でも、今はお互いに歩み寄らないと会話も成立しないので。この歩み寄りができているのは新しい発展につながるんじゃないかと思っています。

自身も台湾に足を運んだソフトバンクの稲永大毅氏
自身も台湾に足を運んだソフトバンクの稲永大毅氏

 ☆いねなが・だいき 1976年11月28日生まれ、福岡県北九州市出身。2006年1月に「福岡ソフトバンクホークス株式会社」に入社。24年3月より「事業統括本部マーケティング企画部部長兼エンターテインメント推進部課長」を務める。