世界一を争う舞台が整った一方で、第6回WBCはグラウンド外でも〝火種〟を抱えたままのようだ。日本では今大会で配信大手「Netflix(ネットフリックス)」が独占生配信権を取得したことで賛否両論を巻き起こしている中、一方の米国では放送への不満が爆発した。米メディア「ニューズウィーク」は15日(日本時間16日)の準決勝・米国対ドミニカ共和国戦(ローンデポ・パーク)で、前回大会に続いて生配信および放映権を持つ大手「FOX」の中継に対し「史上最悪の放送」との批判が噴出したと報じた。

 日本だけの問題ではない。WBCは決勝を前に、肝心の「どう見せるか」が主役級の論点になっているようだ。 問題視されたのは、長過ぎるリプレーや不自然なカット切り替えで肝心の投球を見逃す場面が相次いだことに加え、救援登板した米国代表タイラー・ロジャース投手(35=ブルージェイズ)の成績表示で別選手のデータを出すミスまで起きた点だ。

 米国は物議を醸す判定も絡んだ末にドミニカ共和国を2―1で下して決勝進出。17日(日本時間18日)にベネズエラと激突するが、その大一番を前に米国のファンの視線はプレーだけでなく「今度は正確に映るのか」にも向いている。

 日本では「ネトフリ独占」、米国では「FOX炎上」。地上波で見られないストレスと、見せ方の雑さ――。問題の形は違っても、野球の祭典が放送・配信の不満に揺れている構図は日米で酷似している。侍ジャパン敗退で日本国内の熱気がしぼみかねない中、決勝は米国とベネズエラの頂上決戦であると同時にWBCという「商品」をどう届けるべきか。今大会の決勝戦はそんな問題提起の答えを出す、もう一つの「本番」にもなりそうだ。