スピードスケート女子の高木美帆(31=TOKIOインカラミ)が、オランダ人のヨハン・デビット・コーチ(46)と二人三脚で歩んだ競技人生に別れを告げた。

 現役ラストレースとなった世界選手権(8日、オランダ)で総合3位に輝き、10日に成田空港に帰国。高木は「まだその実感が湧かないところはあって、いつものシーズンが終わった感覚で(日本に)戻ってきている。普段なら練習が始まるまでに、何をしなきゃいけないという話になるけど、そういうのがあまりない感じ」と胸中を吐露した。

 夏冬通じ五輪で日本女子最多となる10個のメダルを獲得。偉業達成の背景には、2015年から指導を受けてきたデビット・コーチとの強い信頼関係があった。高木が22年北京五輪後にナショナルチームから独立して個人コーチに就任すると、翌23年には女子団体追い抜きメンバーの佐藤綾乃(29=ANA)らを加えて「team GOLD(チームゴールド)」を結成した。

 デビット・コーチからは「(体の)衰えとか、実力が落ちてきていることが理由なら納得できない」と引退を引き留められた。それでも決断した真意を「私の中では、それだけではなくて。いろいろ気持ちの変化とかもあった。総体的にひっくるめて今かなと思った感じ」と説明した。

 オランダから帰国する際には、空港までデビット・コーチが車で送迎してくれた。「最後ヨハンに送ってもらった。その中でいろいろ話ができるかなと思っていたけど、逆に話していると悲しくなってきちゃうので、話せる状況ではなかった」と明かした。

 今後は未定で、後日記者会見を予定している。日本スピードスケート界のレジェンドが、名伯楽と歩んだ現役生活は歴史にさんぜんと輝く。