幼なじみが明かす素顔とは――。ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート男子フリー(ミラノ・アイススケートアリーナ)が13日(日本時間14日)に行われ、佐藤駿(=エームサービス・明大)が186・20点、合計274・90点で銅メダルに輝いた。佐藤と同学年で幼少期には「仙台FSC」で練習をともにした鈴木なつ(関大4年)が取材に応じ、ノービス時代から注目を集めた天才スケーターの魅力に迫った。
銀メダルに輝いた鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)と熱い抱擁を交わすと、佐藤の目から大粒の涙がこぼれ落ちた。ショートプログラム(SP)は9位と失速。メダルが遠のくも「自分は何しに来たのか。メダルを取りに来たんだ。もう全部ぶつけよう」と強い気持ちでフリーに挑んだ。イリア・マリニン(米国)らの失速もあったが、猛烈な追い上げでメダルを奪取。「本当に信じられない気持ち。夢なのかなと思っている」と笑みを浮かべた。
初の大舞台で表彰台を勝ち取った佐藤の印象は、今も昔も変わらないという。鈴木は「本当に静かでかわいい男の子。ジャンプもずっとすごかったけど、表現面も本当に幼いながらにすごく上手だった」と笑う。
寡黙で黙々と練習をこなしつつ、レッスン後には自主練習にも励んでいた。「(浪岡秀)先生は練習が厳しかったけど、駿くんは練習の内容や態度で怒られているイメージがない。あの時は気づかなかったけど、今思えばすごい真面目な選手だったと思う」と振り返った。
寡黙ながらも、チームメートとの関係は良好。途中から加入した男子スケーターとはゲームの話で盛り上げることもあった。練習中にはチームメートが佐藤の動作を本人が気付くまで真似するなど、誰からも愛されるスケーターだった。
鈴木は「今もだけど、結構いじられる感じのキャラクターだった。先生からもいじられていた。真似されたのを気付いた時は、大きなリアクションではないけど、いつもニコニコほほ笑んでいた」と明かした。
佐藤が埼玉に拠点を変更後は、一緒に練習することがなくなった。それでも、苦楽をともにした仲間のことを大切にしている。鈴木は今季限りで引退を決断。1月中旬の学生氷上選手権(インカレ)では、鈴木のフリー時にリンクサイドで佐藤が演技を目に焼き付けていた。
鈴木は「会ったのは久しぶりだったけど、リンクサイドに立ってくれたことにびっくりした。演技後にしゃべった時は、私が『最後って聞いていたから、絶対見ようと思った』と言ってくれた。それがうれしかった」としみじみ語った。
盟友の鍵山と上がった表彰台。夢にまで見た景色は特別なものだった。「一緒に乗ることができてうれしい」と佐藤。愚直な姿勢と仲間を思いやる気持ちが、奇跡の逆転劇を呼び込んだ。












