ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート男子フリー(ミラノ・アイススケートアリーナ)が13日(日本時間14日)に行われ、鍵山優真(22=オリエンタルバイオ・中京大)が176・99点、合計280・06点で2位。2大会連続で銀メダルを獲得した。中京大でともに練習を積んできた誉田知己(3年)が取材に応じ、エースの素顔を証言。間近で接する後輩だからこそ感じる〝すごさ〟とは――。
絶対王者のイリア・マリニン(米国)が大失速でメダルを逃すも、鍵山は何とか耐えた。イタリアの地で演じた「トゥーランドット」は冒頭の4回転サルコーでミスが出るなど、本来の演技ができなかった。それでも、メダルを引き寄せたのは日々の努力があったからだ。「今日はすごく悔しかったけど、全体的に見れば、この五輪という舞台で、大きな経験や学びがあったので頑張って良かった」を頬を緩めた。
世界の舞台で存在感を示した鍵山を、1学年下の誉田は同校のリンクで見てきた。誉田にとっては雲の上のような存在でも「敬語を使わなくていいよ」と先輩風を吹かせる様子は一切なし。「面白いことを言ったり、笑顔で話してくれる明るい人。ふざけたこととか、ちょっとノリのいいことも言ってくれる」と親しみやすい印象を抱いている。
現在では「僕がたまに優真くんに面白い話題とか持ちかけると、結構乗っかってくれる」と語るように、学生らしい姿も垣間見える。「面倒見のいい先輩」と感謝を口にする一方で、随所で驚かされる場面があった。
鍵山はジャンプの美しさが持ち味の1つ。誉田が「なんでそんなきれいに軽く跳べるの?」と聞くと、意外な答えが返ってきた。「すごい深いこと言ってくるのかなと思ったら『流れかな』って。想定外だったけど、そこも結構面白いところだなと思った」と笑うが、練習の積み重ねでたどり着いた境地だという。
休憩中は会話を交わすことも多く、お菓子の話題が上がることもあった。「優真くんがラムネを食べていて『何味食べているの?』『この味美味しいよね』みたいなことをしゃべっていた」と回想。ただ、スイッチが入ると雰囲気が一変する。「練習中は人が変わるくらい集中している。一つひとつの動きを丁寧にやっていて、曲かけも一発で決めるし、気になった部分を調整していることも多い」と明かした。
また練習前は誰よりも早くリンクに足を運び、練習後にはクールダウンを徹底。「アップもそうだけど、集中する時間をつくっている。生活リズムも気にしていて、早く帰ったら早く寝ることを意識しているみたい。夜はすごく眠くなる時があるみたいで、そういう時はしっかり寝て次の日につなげていると聞いている」と証言した。
エースの重圧と戦い続けた4年間。頂点には届かなかったものの「今回の経験を力に変えてまだまだ頑張りたい」。喜びと歯がゆさが入り混じった銀メダルは、さらなる飛躍の糧となる。











