ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート団体ショートプログラム(SP)が7日(日本時間8日)に行われ、男子の鍵山優真(22=オリエンタルバイオ・中京大)が108・67点で1位。底力を見せたエースは父・正和氏との親子鷹で歩みを進めてきたが、2023年からは元世界女王のカロリーナ・コストナーさんが表現面などを指導。コストナーさんと親交の深い五輪2大会連続出場の鈴木明子さんは、名スケーターの存在が親子にとってプラスになっていると指摘した。
エースとして戻ってきた五輪の舞台で、ひときわ輝いた。冒頭の4回転トーループ―3回転トーループの連続ジャンプを決めると、ノーミスの演技を披露。世界王者のイリア・マリニン(米国)を上回り、日本は2位で最終日(8日=日本時間9日)に挑むことになった。逆転での金メダルに望みをつないだ鍵山は「五輪の相性がいいのかなって思っているけど、その感覚が本番でも出てる」と声を弾ませた。
正和氏譲りの華麗なジャンプで、毎試合のように高得点のGOE(出来栄え点)を記録。近年はジャンプに注目が集まりがちの一方で、鍵山は表現面もたけている。コストナーさんは体の使い方から目線の使い方まで、あらゆる表現面に関してアドバイスを送った。振付師としても活躍する鈴木さんは「鍵山選手の一つひとつの質の高さと、スケーティング技術、演技構成点の部分は確実に北京五輪の時から成長した部分だと思う」と太鼓判を押した。
コストナーさんの性格も、鍵山を指導する上で適任だった。現役時代はイタリアの至宝と称されるほど、きめ細かな演技で世界のファンを魅了。「カロリーナの細部にわたる美しい表現によって、鍵山選手がもともと持っていたスケートにさらに磨きがかかり、よりプログラムを輝かせているように感じる」と印象を語った。
現役時代のコストナーさんは10代から世界の舞台で躍動。しかし、五輪で初めて表彰台に立ったのは27歳の時(14年ソチ五輪で銅メダル)だった。鈴木さんは「カロリーナはメンタル面で苦労してきたので、重圧のかかる鍵山選手の気持ちがわかると思う。カロリーナはすごく穏やかな性格なので、怒りの波が来た時にも穏やかにしてくれる。親子だとバランスが難しいけど、決してカロリーナは前に出ていくタイプではなくて、お互いの空気を見ながらちょうどいいバランスをとってくれている存在のように感じる」とメリットを口にした。
初出場だった北京五輪時は、羽生結弦、宇野昌磨の下でノビノビと滑る立場だった。4年の月日を経て立場が大きく変わる中でも、栄光と挫折の両面を知るコストナーさんが親子鷹の道のりを懸命にサポートしてきた。鍵山は「(SPは)明るめのテンションなので、結構楽しんでやっているけど(コストナーさんからは)ジャンプにはしっかりと集中してと言われている。その辺のバランスがとれている」。会場の視線を釘付けにした好演技は、まさにエースの姿だった。













