【イタリア・プレダッツォ発】リベンジ成功だ。ミラノ・コルティナ五輪ノルディックスキー・ジャンプ混合団体、日本は丸山希(27=北野建設)、小林陵侑(29=チームROY)、高梨沙羅(29=クラレ)、二階堂蓮(24=日本ビール)で臨み、合計1034・0点で銅メダルを獲得。4年前にスーツの規定違反による失格で悔し涙を流した高梨が、同種目初の表彰台に大きく貢献した。一時は引退もよぎった中で、現役続行を決断した深い理由とは――。

 男女各2人が2回ずつ飛ぶ混合団体で、高梨は3番手で出場。日本が5位で迎えた1回目、96・5メートル、123・4点で順位を3位に押し上げた。さらに2回目も97メートル、125・6点の好ジャンプ。その後に日本の表彰台が確定すると、前回の混合団体のチームメートだった伊藤有希(土屋ホーム)からハグされ、高梨は歓喜の涙を流した。

 チームの3位に貢献し「本当にみんなのおかげで取らせていただいた銅メダルが、今でも信じられない。徐々に重みを感じています」と感無量。「チーム戦(混合団体)のメンバーに選んでいただいた時から、不安要素の方が多くてすごく緊張していた。ここに来て2本いいジャンプをそろえられて、安堵の気持ちが強い」とホッとした表情を浮かべた。

 前回大会では、1回目103メートルの大ジャンプ後にスーツの規定違反で失格となり、日本は4位に終わった。その後、自身のインスタグラムに真っ黒の画面を投稿し「私の失格のせいで皆の人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です」と謝罪した。

 再び巡ってきた舞台で結果を残した高梨は「(今回も)チーム戦に出るとは想像できなかったけど、その役割を任せていただいた。自分の4年間か、それ以上に積み上げてきたものをここで出せないと、私の競技人生は終わりだなと。ここに来て、個人戦と練習よりもいいジャンプができた」と大きく胸を張った。

 今季開幕前、本紙の取材に「(現役を)続けるかどうかを迷った期間はあった」と明かし、続行を決断した理由をこう続けた。「飛んでいる中で(ファンなどから)『見ていて元気をもらいました』といったお声をいただいて、自分が飛ぶことで意味があるなら続けたいと思った。少しでもスキージャンプ界に貢献できるなら、やり続けたい」

 女子ジャンプは2014年ソチ五輪でノーマルヒル(NH)が初めて実施され、今大会から個人ラージヒル(LH、15日=日本時間16日)が追加された。男女通じてW杯歴代最多63勝を誇る高梨は「女子スキージャンプの歴史は、そんなに深くないというか浅いので。先輩たちが作り上げてきてくれた世界に、タイミングよく私が競技をさせてもらって今がある。自分に何ができるかと考えた時に、スキージャンプをもっと一般の方に広めることだったり、興味を持ってもらえることが一番だと思って活動している」と、競技普及の重要性を説く。

 その上で「たくさんの方に興味を持ってもらえるのが一番だと思うので、そういう発信をこれから続けていきたいと思います。今環境を整えるところでいろんなプロジェクトをしていたり、イベントに参加させていただいたりもしているので、未来を担う子供たちが活躍してる舞台を整えていくために活動したい」と力を込める。

 SNSを通じた発信にも積極的な姿勢を見せ「なかなかニュースで取り上げられない部分もあると思う。そういうところをきっかけに、スキージャンプに興味を持ってもらえたら」。高梨のジャンプにかける熱い思いが、イタリアの地で実を結んだ。