〝ゴジラ効果〟はやはり絶大だ。巨人の宮崎春季キャンプで松井秀喜氏(51=ヤンキースGM付特別アドバイザー)が臨時コーチとして直接指導に当たっている。12日までの3日間ながら豊富な経験や技術を伝えるだけでなく、選手たちのメンタル強化にもつながっている。

 10日から古巣での指導を開始した松井氏は、11日にサプライズで即席のサイン会を敢行。子供から大人まで幅広い年代のファンにサインして大歓声を浴びると、紅白戦開始前には自らマイクを持ち「私はなぜ今年ここに来たか。2年前来た時にジャイアンツが優勝したから縁起を担ぎ、今年来ました」とあいさつし、球場内は大きな拍手に包まれた。

 ファンサービスはもちろん、臨時コーチとしての任務もまっとうしている。質問してきた「浦学のジャッジ」の異名をとるドラフト6位ルーキー・藤井健翔内野手(18)に対して〝ゴジラ塾〟を開講。約20分間、身ぶり手ぶりを交えて熱血指導した。松井氏は「いい体してパワーもあるし。将来有望で楽しみだね」と期待を口にし「髪の毛もジャッジ(ヤンキース)を意識したってね。好きだよ、そういうの。嫌いじゃない(笑い)」と笑顔を見せた。

 連日の技術指導はナインに大きな財産となっているが、同時に〝副産物〟ももたらしている。指導初日の10日には、2024年のドラ1・石塚裕惺内野手(19=花咲徳栄)や4番候補・リチャードらが自ら松井氏のもとへ教えを請いに足を運んだ。こうした行動をチーム関係者は「決して簡単なことではない」と評した。

「現役時代を知らない若手たちでも『松井秀喜』の偉大さは知っているし、雲の上のような存在。そんなレジェンドに質問しに行くのは勇気がいることだし、自分たちなりにしっかり準備をしてから行くことも必要になってくるからね」

 頭を整理した上で一歩を踏み出す勇気。技術を向上させるだけでなく、〝松井詣で〟は度胸を鍛える意味でも価値ある機会となっている。