【イタリア・リビーニョ9日(日本時間10日)発】ミラノ・コルティナ五輪のスノーボード女子ビッグエア(BA)決勝(リビーニョ・スノーパーク)が行われ、北京五輪銅メダルの村瀬心椛(21=TOKIOインカラミ)が179・00点をマーク。同種目の日本勢で初めて金メダルを獲得した。ニューヒロインが理想とするのが〝かっこいい滑り〟。その思いで成長を遂げてきた。その野望はでっかく、スロープスタイル(SS)との2冠にも意欲を見せる。
攻めの演技に世界中が沸いた。1本目にバックサイドトリプルコーク1440で89・75点を記録。2本目のフロントサイドトリプルコーク1260は、72・00点と得点を伸ばせず2位に後退した。それでも「最後まであきめず挑む」と、最終3本目はフロントサイドトリプルコーク1440を完璧に着地。89・25点で頂点の座を引き寄せ、右手を掲げ、天を仰いで喜びを表現した。
男子BAの木村葵来(ムラサキスポーツ)とのアベック金メダルに輝いた新女王は「現実じゃないんかってぐらい、夢を見てるじゃないかってくらいうれしい」と満面の笑み。「銅メダルの時も重たかったけど、やっぱ金はちょっと違った重み。今まで頑張ってきて、全部が詰まってるような重みがある」と歓喜に浸った。
北京五輪は17歳3か月で表彰台を奪取。冬季五輪日本女子史上最年少メダリストとなった一方で、苦悩もあった。「『女子で一番かっこいい滑りをするのは心椛だよね』『男子のような滑りをするよね』と言われたい」との思いを抱く中、2023年1月にはXゲーム時の転倒により左足首などを負傷。手術で戦線離脱を余儀なくされ、世界選手権の舞台に立つことができなかった。
当時の心境を本紙に「本当に気持ちとかも一気に落ちてしまった。『本当に自分はスノーボードが大好きなのか』『これから先、スノーボードをやっていける自信や勇気はあるのか』と考えた」と回想。自問自答を繰り返す日々を過ごしたが、スノーボードを辞められない自分がいた。
「ちゃんと練習をして、誰にも負けないスノーボーダー、かっこいい選手になるために取り組んだら『もっともっと強い自分になれるんじゃないか』と考えた。自分にプレッシャーをかけるじゃないけど『周りはもっと練習しているんだ』『もっと自分は強くなりたい』と考えながら練習をするようになった」
村瀬は根っからの負けず嫌い。「昔、ある大会で負けた時には悔しくてすごい練習したかな」と笑う。スノーボード以外でも負けは許されず「さすがに今はないけど、ゲームだったりとか、昔だったら例えばマリオカートとかで負けたりとかすると、泣いたりとかしていたかな…」と恥ずかしそうに明かした。
自分にも他人にも負けじと、己が掲げる道を走り続けた。ただ、ここがゴールではない。約1週間後に控えるSSに向けて「2冠が大きな夢。五輪で金メダルを取ったから終わりではなくて、スノーボードと言ったら村瀬心椛と言われる存在になりたいので、まだまだあきらめずに頑張りたい」と力を込めた。
ほしかった〝勲章〟を得た村瀬は、次戦も記憶に残るパフォーマンスで日本列島をさらに熱狂させる。













