ヤクルトからホワイトソックスへ移籍した村上宗隆内野手(25)の新天地での奮闘に、日本ハム関係者が熱視線を送っている。背景にあるのは低迷球団再建への期待と、あるライバルへの〝刺激効果〟だった。

ようやく念願のMLB移籍が決まった村上宗隆(ロイター)
ようやく念願のMLB移籍が決まった村上宗隆(ロイター)

 村上と2年総額3400万ドル(約53億円)で契約を締結したホワイトソックスは、3年連続でシーズン100敗超えを繰り返す低迷球団。若手中心の再建途上にあり、下馬評では来季も地区優勝やAクラス入りは厳しいと見られている。

 それでも村上は、あえて苦境にあるチームでの挑戦を選んだ。22日(日本時間23日)には本拠地で入団会見に臨み「(ユニホームに)袖を通してスタートラインに立てた気持ちです。このレート・フィールドでプレーできることに今ものすごく興奮しています」などとコメントし、白い歯をのぞかせた。

 この〝さわやかな決断〟に、日本ハム関係者の一人は「今のホワイトソックスは、数年前のウチと似た状況だと思う。短期間で結果を出すのは簡単ではないが、チームのV字回復に貢献しながら、米球界を代表するスラッガーに成長してほしい」とエールを送る。球団内では自軍が再建期を経て成長してきた歩みと重ね合わせるように、村上の新たな挑戦を見守る声が少なくないという。

 さらに日本ハム関係者が村上の成功を願う理由はもう一つある。同学年で、かねてライバル関係にある清宮幸太郎内野手(26)への〝波及効果〟だ。高校時代から注目を集め、ともにドラフト1位でプロ入りした両者だが、その後は歩む道が分かれた。

今季は日本ハムに欠かせぬ選手へと飛躍した清宮幸太郎
今季は日本ハムに欠かせぬ選手へと飛躍した清宮幸太郎

 村上は2022年に打撃3冠王に輝くなど飛躍を遂げた一方、清宮は試行錯誤の時期が続いた。それでも近年は着実に成長を見せ、24年には規定打席未到達ながら打率3割を記録。今季は143安打を放ち、シーズン終盤まで最多安打争いに加わった。

 覚醒の気配を漂わせる中で、村上がメジャー1年目から結果を残せば、その刺激は清宮にも確実に伝わる。別の関係者は「清宮は温厚で他人を強く意識するタイプではない。ただ、同学年でプロ入りした村上と安田(尚憲=ロッテ)だけは別。常に動向を気にしている。村上との相乗効果が楽しみ」と明かす。

 すでに清宮はSNSを通じて村上にエールを送り、自身を奮い立たせている。異国で挑戦するライバルの背中を追い、清宮がさらなる進化を遂げるのか。日本ハム関係者の視線は、米国と北海道の両方に注がれている。