名門復活はいかにして成し遂げられたのか――。J1鹿島が9年ぶり9度目のリーグ優勝を果たした。最終節(6日)の横浜M戦(メルスタ)に2―1で勝利し、常勝軍団と言われながら昨季までの8年連続国内無冠からついに脱却。元日本代表FW武田修宏氏(58=本紙評論家)が名門復活の要因を挙げるとともに、日本代表待望論もいまだ根強い〝破天荒エース〟FW鈴木優磨(29)の心中にも迫った。
強い鹿島が戻ってきた。2位・柏を勝ち点1差で振り切っての頂点。武田氏は「Jリーグができた1993年に(武田氏が当時に在籍したV川崎=現・東京Vと)優勝を争った、歴史と伝統ある鹿島が優勝するのというのは、心からうれしい」としみじみ語った。
名門復活を告げる優勝の要因については、まず今季加入のブラジル人FWレオセアラを挙げる。21ゴールで得点王に輝き、最終戦で2ゴールの勝負強さも光った。「Jリーグは外国人センターFWの出来が優勝を左右するからね」。さらに練習の強度が高く、競争の激しさから生まれる強さもあるとして「当時のヴェルディも、試合より練習がハードだった」と自らの経験を踏まえて指摘した。
また、ジーコ・クラブアドバイザーや強化責任者の中田浩二フットボールダイレクターをはじめ、鬼木達監督、柳沢敦コーチら伝統を知るスタッフの力や、日本代表GK早川友基の急成長などさまざまな要素はあるが、何と言っても忘れてはならないのが鈴木の存在だ。「ヴェルディが強かったころのラモス(瑠偉)さんみたいな存在かな。叱咤激励して良いことは良い、悪いことは悪いとはっきり言ってチームにピリッと刺激を与えるような選手。代表で言うと、かつての(田中マルクス)闘莉王選手のようでもあるね。苦しいときには彼みたいなリーダーシップを取る選手は生きるし、言うけどプレーでも示すことも大きい」
鈴木は下部組織から鹿島育ちでチーム愛も強く、2022年に「鹿島のタイトルのため」に欧州から復帰。時には物議を醸す言動も注目されてきたが、ついに一つの大仕事をやってのけた。そうなると、ここまで待望論がありながら、ほぼ縁がなかった日本代表への向き合い方が変わる可能性も考えられる。
しかし武田氏は「彼は大好きな選手」と代表入りに値する実力を認めた上で、こう力説した。「代表入りを期待する声とかはあるけど、彼は自分のプレーに集中して結果を出すことがプロフェッショナルだと考えているだろうし、代表のことは頭にないと思う。自分も市原(現・千葉)で結果を出しても、(当時代表監督のフィリップ)トルシエから呼ばれなかったときに思ったのは『自分は自分』だった」
その上で「ストライカーって、周りのことよりも自分のことだから。やっぱり自分らしく頑張るのがいいんじゃないか」とエールを送る。鹿島のエースには、選手であれば代表入りを望むという〝常識〟は当てはまらないようだが…。このままキャップゼロのままキャリアを終えるのか、その動向は注目され続けそうだ。












