メッツがレンジャーズとの大型トレードを実現させ、MLB関係者の間でも衝撃が広がっている。今季25本塁打と92打点の自己ベストを更新した生え抜きスターのブランドン・ニモ外野手(32)を放出し、二塁手として2度目のゴールドグラブ賞を受賞したマーカス・セミエン内野手(35)を電撃獲得。今季Vを厳命されていながらポストシーズン進出を逃したチームが今オフのストーブリーグで、のっけから最大級の勝負手を打った。

 米メディア「ファンサイデッド」は「この〝守備重視の大胆トレード〟が球団の攻撃力を一時的に削ぎながらも、さらなる戦力補強への布石だ」と分析。カブスからFAとなっているカイル・タッカー外野手(28)の獲得構想や主砲ピート・アロンソ内野手(30=メッツFA)との再契約案など「次の一手」も示唆した。

 しかし、この動きが思わぬ波紋を呼びつつある。米スポーツ専門メディア「TWSN」が報じたのは、千賀滉大投手(32)のトレード浮上という衝撃情報だ。メッツはわずかに届かなかったプレーオフ進出を受け、先発要員の見直しも含めロースター再構築が急務。そこで「放出可能リスト」に千賀の名が挙がっているという。

千賀は2023年に防御率2・98、202奪三振と圧巻のMLBデビューを飾ったが、翌年は怪我の連鎖でわずか1試合しか登板できず。今季は序盤で防御率1・47と好調な復帰ロードを歩み始めたかと思われたものの再び右ハムストリングを痛め、復帰後は4点台後半に数字を大幅に悪化させた。

 とはいえ〝健康体の千賀〟はリーグ屈指の先発右腕。ここに目を付けたのが、投手再生工場として名高いレイズだ。クローザーのピート・フェアバンクス投手(31)をノンテンダーで手放し、先発陣も故障者続出。低コストでの獲得が可能で、修復すればエース級へ戻る可能性を秘めた千賀は「まさに理想のターゲットだ」(TWSN)と報じられている。

 レイズ側の事情だけではない。メッツにとっても、セミエン獲得で生まれた「内野の過剰戦力」整理や、さらなる補強資金の捻出が急務。大型契約を抱える千賀の放出は、資金とロースターの柔軟性を取り戻す手段として前出の「TWSN」によれば「現実味を帯び始めている」という。

 ニモ放出という勝負手を皮切りに、メッツは確実に次のステージへ進もうとしている。だが、その過程でエース級右腕の千賀が動く可能性は決して小さくない。再建か、勝負か――。ニューヨークの冬は、まだ一段と騒がしくなりそうだ。