悲劇のヒーローはオフも「注目の人」だ。ワールドシリーズ(WS)第7戦(1日=日本時間2日・トロント)で大谷翔平投手(31)らドジャースの前に屈し、試合後に悔し涙を見せたブルージェイズ主砲のウラジミール・ゲレロ内野手(26)は帰国先のドミニカ共和国で盛大な歓迎を受け、つかの間の休息を過ごしている。しかし、その裏で思わぬ〝波乱〟に巻き込まれているという。

 ゲレロは13日(同14日)に今季の活躍を評価され、史上初となるMLB年間最優秀エンターテイナー賞を受賞。大谷がナ・リーグMVPを含む4冠を獲得した「MLBアワードショー」と同じ舞台で発表された新設賞だ。

 だが、SNS上では発表直後から「騒然となっている」ことを米メディア「アスロンスポーツ」が報じ、話題となっている。X(旧ツイッター)上では「慰め賞を急造したのか」「これ本当に賞なの?」「今年のエンターテイナーって何だ」などSNS上では、疑問の声が相次ぐ事態へと発展。大谷に敗れた直後のタイミングだけに、米ファンからは「気を使いすぎではないのか」との皮肉も飛び交った。

 ゲレロ自身がこの日の授賞式に出席しなかったことも、混乱に拍車をかけた。代理を務めたのは〝名付け親〟で殿堂入り投手のペドロ・マルティネス氏。演出としては豪華なものとなったが「本命不在」の表彰はファンの間で、なおさら不可解に映ったようだ。

 とはいえ、ゲレロが受賞に値する数字を残したのも事実。今季は156試合で打率2割9分2厘、23本塁打、84打点。ポストシーズンでは打率3割9分7厘、8本塁打をたたき出し、世界一にはあと一歩届かなかったものの、ブルージェイズを30年ぶりの頂点目前まで押し上げた。ドジャースと死闘を繰り広げたWS第7戦は惜敗に終わったが、ゲレロは間違いなく主役の一人だった。

 帰国後のゲレロは「トロントですべてを成し遂げたい」と来季への覚悟を語っている。異例の賞を巡る賛否は収まらないが、ブルージェイズの主砲はすでに視線をドジャース、大谷翔平への「リベンジ」に向けているようだ。