カブスが今オフ、大激震に見舞われている。球団のジェド・ホイヤー編成本部長(51)が主導する〝大改革〟の一環として、主砲のカイル・タッカー外野手(28)との契約を解消する方針を固めたと米メディア「エッセンシャリースポーツ」などが報じ、波紋を広げている。今永昇太投手(31)のFAに続き、投打主力の流出が相次ぐ〝異常事態〟になりそうな気配だ。

 米スポーツ専門局「ESPN」のジェフ・パッサン記者は「タッカーは3億ドルを超える契約を要求するだろう」と指摘。同局のジェシー・ロジャース記者も「カブスは来季以降、1人の選手に3500万~4000万ドルを投じるつもりはない」と分析している。ホイヤー体制は巨額契約を避け、育成と再構築を優先する姿勢を鮮明にし、地区シリーズで今季敗退したカブスの改革を断行する構えだ。

カブスからFAとなった今永昇太
カブスからFAとなった今永昇太

 米主要紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」によれば、外野陣についてカブス側はイアン・ハップ外野手(31)、鈴木誠也外野手(31)らで十分と判断。タッカーの推定市場価値と目される「4億6000万ドル(約706億6000万円)」を前に、球団は撤退を決めたという。リリーフ陣の立て直しや、今永退団後の先発補強に資金を回す考えのようだ。

 ジ・アスレチックの報道によれば、ナショナルズで今季5勝15敗、防御率4・17といまひとつの成績に終わった左腕マッケンジー・ゴア投手(26)のトレードもカブス側は模索しており、保守的な財政運営にかじを切った格好と言える。

 一方で、タッカー争奪戦は加熱必至。すでにドジャース、ジャイアンツ、フィリーズが水面下で名乗りを上げているとされる。特にドジャースは、大谷翔平投手(31)、山本由伸投手(27)、佐々木朗希投手(23)の日本人トリオ獲得に続く「西海岸の超大型補強」としてタッカーをリストアップ。中でもESPNは「ドジャースが最有力候補」と明言している。

佐々木朗希に〝握り〟を教える今永昇太
佐々木朗希に〝握り〟を教える今永昇太

 ホイヤーの改革は名を捨て構造を取るという、ドラスチックな判断に満ちている。だがタッカーが去れば、攻撃の核を失うのも事実。再建か、空洞化か――。カブスの冬は、冷たい風が吹き抜けている。