日本シリーズはソフトバンクが4勝1敗で阪神を下し、5年ぶりに日本一を奪還した。第1戦こそ接戦で落としたが、第2戦での大勝を機に流れを完全に掌握。昨年の日本シリーズ敗退、そして今年のCSファイナルステージでの反省を生かし、小久保裕紀監督(54)が「出し惜しみしない戦い」を徹底したことが勝因となった。本紙評論家でホークスOBの加藤伸一氏は「今年の日本シリーズは、小久保監督の采配がこれまでと明らかに違っていた」と指摘する。
【インハイアウトロー・加藤伸一】小久保監督の決断力が際立ったシリーズだった。昨年や今年のCSファイナルステージでは〝出し惜しみ〟が目立ったが、今シリーズではその反省を見事に修正した。勝てる展開だけでなく、ビハインドでも藤井―松本裕―杉山の3人を惜しみなく投入。短期決戦では〝温存〟よりも〝総動員〟。この割り切りがチームに一体感を生んだと思う。
藤井から松本裕、そして杉山へつなぐリレーは最後まで安定。守護神・杉山は3連投を含む4試合で1勝2セーブと抜群の存在感を示した。リードを守るだけでなく、劣勢でも流れを止め、この3人の信頼が首脳陣の迷いをなくした。
一方、打線の柱は山川だ。第2戦から日本シリーズタイ記録の3戦連続本塁打でチームを勢いづけた。阪神は山川への攻め方を誤ったね。ストライクゾーンで勝負する必要がなかったのに、ゾーンで勝負して痛打された。短期決戦の怖さが出た典型だった。
第2戦の大勝がシリーズの流れを決定づけ、そこから4連勝。短期決戦は〝流れを逃さないこと〟がすべてだと改めて思う。
小久保監督はその流れをしっかりと見極め、先に手を打った。昨年のように「様子を見る」のではなく「決断して動く」采配だった。投打の柱がかみ合い、チーム全体が一枚岩となった。
今年のホークスは、まさに〝反省からの成長〟を体現したチームだった。打の主役は山川、投手陣では藤井・松本裕・杉山がそれぞれの持ち場で役割を果たした。小久保監督の信念を全員が理解し、全力で応えた結果の日本一だった。(本紙評論家)














