エースに課せられた任務とは――。スピードスケートの全日本距離別選手権(26日、長野・エムウェーブ)、女子1500メートル決勝は2022年北京五輪銀メダルの高木美帆(31=TOKIOインカラミ)が1分55秒85で10年連続10度目の優勝。連覇は全種目を通じて単独最多記録となった。

 歴史を塗り替えても、高木の表情に笑顔はなかった。後半の滑りに精彩を欠き、タイムを伸ばすことができず、2位の佐藤綾乃(28=ANA)とはわずか0秒12差。「評価をするにはちょっと難しいのが正直な感想。タイムだけ見ると結構遅め。世界を見た時に、まだまだもっと上がっていかないといけない」と悔しさをにじませた。

 1000メートルの金を含む4個のメダルを手にした北京五輪後は「26年ミラノ・コルティナ五輪1500メートル金メダル」を最大の目標に掲げてきた。本命種目での頂点取りへ、現在は技術面、道具面など、さまざまな角度から試行錯誤を繰り返す。最高の船出とはならなかったが、過度な心配は不要だ。スピードスケート関係者は「今はいろいろ試しているところ。まだW杯にも出ていないし、これからだと思う」と前向きに捉えている。

 26年は3月に野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、6~7月にはサッカーの北中米W杯が開催される。高木は、他のビッグイベントに負けない活躍の期待も背負う。別の関係者は「ミラノ五輪が終わったらWBC一色になってしまうと思う。だからこそ、少しでもミラノ五輪の盛り上がりを長く続けるためにも高木選手にはぜひ金メダルを獲得してほしい」と願いを口にした。

 ミラノ・コルティナ五輪までは100日あまりとなった。「今モヤモヤしているもの、うまくいきそうでいけないものを最後本番で全部出せるようにしていきたい」と高木。残された期間で心技体にさらなる磨きをかけていく。