新日本プロレス11月2日岐阜大会で棚橋弘至(48)とのV1戦に臨むIWGP GLOBALヘビー級王者の辻陽太(32)が、新世代の旗手としての〝使命〟を果たす。

 辻は13日両国大会でゲイブ・キッドからベルトを奪回すると棚橋を挑戦者に指名。学生時代にスカウトされプロレス界に導いてくれた恩人は来年1月4日東京ドームで引退を控えており、これが正真正銘最後の師弟対決となる。「棚橋弘至を倒すことによって、一つの時代の転換点であることを示せるのかなと。棚橋弘至が引っ張ってきた新日本プロレスにピリオドを打って、これから俺が引っ張っていく。それを見せることが最大の恩返しなんじゃないかなと思ってます」と胸中を明かした。

 対戦する上で考えられる最大の舞台はもちろん来年の東京ドームだったが、あえて年内の防衛戦を選んだ。辻は「正直言うと、棚橋弘至の引退試合の相手は俺ではないと思ってます。みんなそれぞれあの人がいい、この人がいいという思いがあるでしょうけど、ここで名乗り出るほど俺もバカじゃないよ、と。俺も〝あの人〟との対戦が見たいし」と具体名こそ出さなかったものの、自分よりもふさわしい引退試合の存在を認めた。

 今の自分では最後の対戦相手にはなれない。その代わり、棚橋の最後のタイトルマッチの相手を務めて勝利することが辻なりの介錯であり、未来を担う者としての使命だ。「欲を言えばIWGP世界ヘビーをかけて戦うことが理想でしたけど、自分にできる最大のことは今回のタイトルマッチ。逆に言えば現状俺はここまでしかたどり着けなかったということなんですけど、それを棚橋弘至に受け止めてもらいたいですね」と決意表明。「未来は託したぞと、安心して引退してもらいたいですね。ただ忘れてほしくないのは、仮にあなたが選手を引退したとしても、俺は会社に文句を言い続けるよと。戦いは終わらないでしょうね」と不敵な笑みも浮かべた。

 重いテーマを課したからこそ、敗北は絶対に許されない。「ここで俺が負けたら未来真っ暗ですから。新日本プロレスはそんな団体ではないですよ、ということをしっかり見せたいと思います。おそらくこれが棚橋弘至最後のタイトルマッチになるでしょう。レスラー辻陽太として自分のやるべきことをやって、イチ新日本プロレスファンの辻陽太として〝あの人〟との試合が見たいなと」。かつて付け人も務めた辻が棚橋に引導を渡し、運命の東京ドームに送り出す。