18歳の誕生日に人生を変える知らせを受け取った。藤川敦也投手(18=延岡学園高)が23日のドラフト会議でオリックスから1位指名。涙でにじむ視界の先に、亡き父との約束が浮かんだ。

 会見でマイクを握った藤川は、震える声で「プロに行くことができました。父に約束を守れたと伝えることができて本当にうれしいです」と語った。続けて「お父さんが生きていたら、きっと一番喜んでくれていたと思います。今こうして夢をかなえることができて、安心してもらえると思います」と天を見上げた。

 名前の「敦也」は、両親がヤクルトの名捕手・古田敦也氏のファンだったことに由来する。小学4年のときに父・真一さんが他界して以来、藤川にとって「プロになる」という目標は父との約束でもあった。

 福岡の地を離れて宮崎・延岡学園に進学したのも「野球に集中できる環境で夢を追いたかったから」だという。女手ひとつで支えてくれた母・七恵さんへの感謝も口にし、「どんな時も応援してくれたお母さんに恩返しができるよう、これからは結果で示したい」と目を潤ませた。

 183センチ、88キロの体格から放たれる最速153キロの直球は、九州屈指の威力を誇る。中学時代は北九ベースボールクラブで走り込みと遠投を繰り返し、高校では2年春に自己最速をマークした。甲子園出場こそ逃したが、スカウト陣の評価は高く、「九州ナンバーワン右腕」と呼ばれた。

 藤川が憧れるのは、同じオリックスの山下舜平大だ。強烈なストレートを武器にプロの舞台で躍動する姿に心を奪われたという。「山下投手の真っすぐには理想の強さがあります。自分もあんなボールを投げられるように努力したいです」と言葉に力を込めた。

 憧れの投手が所属する球団からの指名に「まさか同じチームでプレーできるとは思っていませんでした。山下さんのように信頼されるエースを目指します」と笑顔を見せた。

「プロではまず体をしっかり作って、真っすぐの質をさらに上げたいです。多くの人に応援してもらえるような投手になります」と決意を新たにした。

 天国の父へ。そして、そばで支え続けてくれた母へ。火の玉のような真っすぐに思いを込め、延岡学園の藤川敦也が新たなステージへと進む。