米国が仲介したパレスチナ自治区ガザの停戦合意の一環として、イスラム組織ハマスは13日、約2年間監禁されていた人質20人を解放した。和平に向かって大きな一歩を踏み出したが、まだまだ難題は残っている。
ハマスは2023年10月7日、イスラエルを奇襲し約1200人が死亡した。さらに約250人をガザに拉致して人質としたことで、イスラエルとの戦闘が始まった。
約2年の戦争について、和平計画を主導したトランプ米大統領は12日に「戦闘は終わった」と明言。13日にはイスラエル国会で演説し「中東の新しい夜明け」と語った。
イスラエル事情通は「ハマスに人質を取られていた米英などの国々では、戦争が長引く中、毎週のように人質解放デモが行われていました。デモ参加者はイスラエルのネタニヤフ首相が政権延命のために停戦を遅らせていると非難しました。現在のイスラエルは連立政権で、極右・強硬派の議員や閣僚が妥協の停戦を嫌っていたからです。これまで首相はハマスの姿勢を責めていましたが、先週、国際社会からの強い圧力とイスラエルの孤立化の深まりを受け、停戦に合意しました」と指摘する。
ガザの和平実現に向け大きな前進となったが、これまでハマスが実効支配していたガザを誰が統治するのか、明確な見通しは立っていない。
「停戦合意の第一段階では、戦争終結後のガザの統治権が誰に委ねられるかについては言及されていません。ネタニヤフ首相は、終戦後においてハマスとパレスチナ自治政府の両方ともを容認しないと宣言。一方、ハマスは、パレスチナの民意とアラブ・イスラム諸国の支援に基づき、パレスチナの独立を支持するテクノクラート(技術官僚)組織を受け入れると表明。しかし、ハマスの複数のスポークスマンは、武器を放棄しないと明言しています」(同)
実際、イスラエル紙「タイムズ・オブ・イスラエル」は「ここ数日、ハマスの警察がパトロールしているのが目撃されており、ガザは正式にはまだハマスの支配下にある」と報じている。
イスラエルの攻撃がなくなったことで、ハマスが限定的とはいえガザの街頭に復帰しているようで、ガザに帰還し始めている避難民にとっては、恐怖政治への回帰が懸念されるだろう。












