ミラノ・コルティナ冬季五輪、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)のフィーバーぶりにも負けていないのが、千葉・市川市動植物園にいる子ザル・パンチくん(6か月、オス)だ。母親代わりのぬいぐるみ「オランママ」を抱くけなげな姿が世界中で大バズリ。最近では“ともだち”もでき、オランママ離れの兆候も出てきているという。急成長するパンチくんを“秘蔵写真”とともにお届けする――。

市川市動植物園は連日の人だかり
市川市動植物園は連日の人だかり

 パンチくんは産後間もなく母猿に育児放棄され、代わりに与えられたオランウータンのぬいぐるみ「オランママ」を母親代わりに生活している。けなげな姿は世界中で話題となり、ついには米ホワイトハウスの公式Xアカウントにも登場。トランプ大統領の一般教書演説用の特別ビンゴカードの画像のひとマスに、オランママを抱くパンチくんの写真が掲載された。

 中国の動画サイト「bilibili」でも「日本の動物園で起きたちょっとかわいそうだけど、あたたかい光景」と紹介され、コメント欄には「見ながら泣いている」などの書き込みが寄せられた。

 市川市動植物園にはパンチくんをひと目見ようと来場者が殺到。地元もウハウハで、近隣のタクシー運転手は「パンチくんのおかげでお客さんが増えた」「パンチくんのおかげで1日に何度も送迎するようになった」と笑顔を見せた。

 当初、オランママを抱えるパンチくんは群れで「異端児」扱いされた。ほかの猿に避けられたり、引きずられることもあった。

 猿の生態に詳しい日本モンキーセンターによると「野生ではニホンザルの群れは母系社会で、通常はメスが子育てをします。オスが成長して生まれた時の群れを出て、新しい群れに入ることはあっても、子ザルが群れに途中から入ってくることは、まずありません。群れのメンバーではない個体は通常排除され、オスが群れに入ろうとする際も、少しずつ仲の良い個体を作り、時間をかけて群れ入りします」という。

じゃれ合う?パンチくん(左)
じゃれ合う?パンチくん(左)
飼育員に抱きつくパンチくん
飼育員に抱きつくパンチくん

 そんなパンチくんだが、最近は成長著しく、ようやく“ともだち”もできたよう。先輩ザルの背中に乗って遊んだり、毛づくろいをしてもらうこともある。ほかの猿たちは仲間として受け入れ、ルールを知らないパンチくんに行動で教えているようだ。

 育児放棄した母親は今もパンチくんと同じ猿山で生活しているが、関係者は「母親がパンチくんを自分の子供だと認識していないのではないか」と予想。気分によっては、オランママなしで猿山に現れることもあるパンチくん。「(群れに)受け入れられていくフェーズに入った」(同)とみている。