暗号資産「SANAE TOKEN(早苗トークン)」騒動で、発行責任者に名乗り出た株式会社neuの松井健CEOが18日、YouTubeチャンネル「NoBorder News」に生出演した。

 松井氏が映像番組に出るのは騒動後、初。冒頭、「この場をいただけたことに感謝申し上げます。今回の件で高市総理、(高市事務所の)木下秘書、藤井(聡)教授をはじめ、たくさんの関係者の皆さまに多大なご迷惑をおかけしてしまったことを申し訳なく思っています」と謝罪した。

 早苗トークンを巡っては、高市早苗首相が関与を否定し、返金騒動に発展した。松井氏はトークン発行元の合同会社「NoBorderDAO」にプロジェクトを提案し、業務の主体を請け負っていたとしていたが、週刊文春には高市事務所側に「早苗トークンが暗号資産であることを伝えていた」と告白。さらに高市事務所による他陣営へのネガキャン動画の作成、拡散にも関与していたことを明かし、渦中の人となっていた。

 NoBorderの溝口勇児CEOは先週の同番組で、松井氏と連絡が取れない状況に「逃げ回っていないで、この場に出て来いよ」と呼びかけていた。松井氏はアメリカから帰国し「溝口さんが矢面に立って批判を浴びている状況を、大変申し訳なく思っている」とこの日、スタジオに姿を現した形だ。

 松井氏は早苗トークンで「1円も利益を得ていない」と売り抜けていた疑惑を改めて否定した上で、高市事務所の秘書とやりとりがあったことを証言。トークンについては「高市総理自体が認識していたかどうかは分からないが、秘書とやりとりをさせていただいて、実施していたのは報道の通り」と話し、秘書とは共通の知人を介して、直接会ったことはないが、Zoom等で連絡を取り合っていたという。

 また、松井氏は高市陣営が昨年の総裁選や衆院選で、他陣営へのネガキャン動画を作成した疑惑についても報じられている。高市首相は事務所も含めて、関与を否定しているが、松井氏は「高市総理の答弁は私の認識と一部違うところがあるが、国会で追及されるような状況を作ってしまったことを非常に反省している」と話した。

 その上でネガキャン動画については「高市総理自体が認識していたかは分からないが、秘書とやりとりをして、実施した。世界ではスピンコントロールは当たり前のように行われていて、解散総選挙でも中国や北朝鮮、ロシアのハッカーも入り込んで、大きな影響を与える状況もあった。外交、防衛の観点から戦うためにもそういうチームが必要」と作成していたことを認めた。

 続けて「(高市事務所からの)依頼という形ではなかった。(総裁選で小泉)進次郎さんと高市さんが競っていて、その時に高市さんの動画やSNSが回らなかった。そこで私のところにヘルプが入って、そこから1日で数百本の動画を作って、拡散させた経緯。(高市事務所の秘書から)具体的な指示があったわけでなく、私自身が動画を作ったほうが総理、高市陣営にプラスになると思って、自ら主導してやった」と説明した。

 最後に「信じてくださっている方々のためにも(返金は)必ず誠意をもって対応しますので、今しばらくお待ちいただけると幸いです。改めて、関係者の皆さま、本当に申し訳ございませんでした」と詫びた。