トラウマにならなければいいが…。パンチくんで有名な千葉・市川市動植物園のサル山に17日、米国籍を名乗る男が侵入し、警察に引き渡される騒動が起きた。一体、何が目的なのか。
市川市動植物園によると、この日の午前10時50分ごろに不審者がサル山に侵入した。深い堀の中央部分に山が築かれている展示方式で、柵を乗り越えた不審者は約5メートルの高さから飛び降りた。
普段、飼育員以外は立ち寄ることがないサル山への乱入にサルたちはパニックに陥り、一斉に山頂付近に避難した。直後に異変に気付いた飼育員が不審者を確保し、サルにケガなどはなかった。
警察に引き渡されたのは20代の男2人で、威力業務妨害の疑いで逮捕される見込みだ。ミームコインのキャラクターの着ぐるみを着ており、暗号資産(仮想通貨)の宣伝や売名目的の可能性が高い。
昨年、同園で誕生したパンチくんは母親に育児放棄され、飼育員からオランウータンのぬいぐるみを母親代わりに与えられた。けなげな姿が共感を呼び「#がんばれパンチ」とSNSで話題となって、今年2月以降、CNNやBBCなどの海外メディアに次々と取り上げられ、ホワイトハウスやグーグルなどでも紹介されるなど世界的な人気を集めた。国内外から来園者が訪れ、過去最多の入場者数を記録していた。
一方で、サル山に多くの観覧者が殺到し、サルに与える影響が懸念されていた。
「騒音や走るなどの急な動作、長時間同じ人から視線を受けるなどにより、脅威を感じます。群れで生活する動物は、1頭が感じた脅威が群れ全体に伝播し、サル同士の喧嘩など重大な問題に発展する可能性があります。そうなればもちろん、群れの中で立場の弱いパンチのような個体への影響は大きくなります」と、同園はサルに負担をかけない観覧方法に腐心していた。
さらに3月からベビーラッシュで、5頭の子ザルが生まれ、管理体制はよりナーバスになっていた矢先の侵入劇となった。この日、一部観覧エリアを閉鎖し、警備体制を強化し、今後については「改めてお知らせしたい」と告知した。ファンからはサルの安全や精神面を考え、公開を制限し、ライブ映像を流すなどに切り替えるべきとの声もあり、対応が注目される。












