栃木県上三川町(かみのかわまち)で起きた強盗殺人事件で少年4人が逮捕されていた中、県警下野署捜査本部は17日、強盗殺人容疑で、指示役とみられる横浜市の無職の竹前海斗容疑者(28)を羽田空港で逮捕。さらに、妻で無職の竹前美結容疑者(25)の身柄を神奈川県内で確保し、下野署で逮捕した。2人とも指示役とみられるが、さらに上の指示役がいる可能性もある。
事件当日、男は栃木県内から実行役の少年らに指示を出していたとみられる。ほかにも複数の指示役がいる可能性がある。県警は「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」による事件とみて、調べている。
事件は14日午前9時過ぎに発生し、同町の富山英子さん(69)が死亡し、富山さんの長男と次男も負傷した。捜査本部は16日までに、いずれも16歳の相模原市と川崎市の高校生4人を富山さんへの強盗殺人容疑で逮捕した。
指示役が2人おり、さらにほかにも指示役がいるとはどういうことか。
犯罪事情に詳しい関係者は「少年らは闇バイトで集められたとみられます。現在の闇バイト強盗は、名簿入手などからのターゲット選定、実行役を集めるリクルーター、移動手配、通信管理、カネの回収、報酬支払いなどを分業制にして、別々の指示役が指示するのです。指示役に指示する指示役もいます。その上に資金源、企画立案の黒幕がいます。指示系統を多重化することで、実行役に上位者の正体を分からせず、警察が黒幕にたどり着けないようにしているのです」と指摘する。
今回逮捕された男は、現場コントロール役だったにすぎないのかもしれない。
そこまで多重化するのは、闇バイトに〝引っ掛かる〟人が減っているからだという見方もある。
「実行役は使い捨てのコマというのが浸透し、闇バイト強盗に応募する人が減り、実行役の質が下がっているとみられます。だから、今回、16歳の少年を使ったのでしょう。遅刻、バックレは当たり前で、素人集団なので現場で混乱し、暴走してしまいます。実行役の逮捕率が上がるので、指示役らの取り分が減ってでも、人を多く挟むことで、全体像をつかまれないようにしているのでしょう。竹前容疑者夫婦は指示役の一番下ということではないか」と同関係者。
夫婦で指示役とは珍しいパターンだが、中国など海外ではよくあるパターンだという。互いに口裏合わせしやすく、生活空間が証拠隠しに使われ、通信端末を共有でき、カネの移動が自然に見えるため、警察からするとやっかいとされる。
最近の闇バイト強盗事件では、指示役が逮捕された後に、さらに上位者が出てくるケースが珍しくないだけに、今後も逮捕者が出そうだ。












