新伝説の始まりか。ドジャースは13日(日本時間14日)からブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズに突入する。連覇がかかるワールドシリーズ進出をかけた最後の関門となるが、ポストシーズン(PS)を勝ち上がれた原動力の一人は佐々木朗希投手(23)だ。すでに2セーブを挙げ、米球界の評価も一変。現役時代にMLB記録となる652セーブを挙げ、ギネス記録保持者となっているマリアノ・リベラ氏(55)を超える可能性もありそうだ。

 怪物右腕の株が〝暴騰〟している。未来のエース候補として昨オフにマイナー契約で加入し、今季は先発としてスタートした。しかし、球速低下や制球難の壁にぶち当たり、5月中旬には右肩のインピンジメント症候群で負傷者リスト入り。メジャー20球団による争奪戦が繰り広げられたとあって、育成込みの獲得であっても米メディアや熱狂的なファンから「失敗」「期待外れ」など激しいバッシングにさらされた。

 だが、マイナーでのリハビリ登板を経て9月にリリーフとして復帰してからは別人のようだ。「令和の怪物」と呼ばれたロッテ時代からスケールアップし、PSの4登板で2セーブ。地区シリーズ第4戦(9日=同10日)では、異例の3イニングに登板して5奪三振のパーフェクトリリーフを見せ、今や米メディアからは称賛の嵐を浴び、地元ロサンゼルスの英雄になりつつある。

 こうした変身ぶりに米全国紙「USA TODAY」の敏腕記者、ボブ・ナイチンゲール氏も「ポストシーズンの5回1/3をわずか1安打に抑える活躍を見せ、彼はマリアノ・リベラの再来のようだ」と伝えたほどだ。

 ヤンキースひと筋でプレーしたリベラ氏は3度のセーブ王(1999、2001、04年)に輝き、通算19年間でMLB記録となる652セーブをマークしたレジェンドだ。ただ、リベラ氏の1年目は95年で当時26歳。今季がルーキーイヤーの佐々木は23歳で、11月3日の誕生日を経て来季開幕は24歳で迎えることになる。今季はリリーフ陣が崩壊したチーム事情もあって急きょの配置転換。来季以降、先発としてもう一度エースの道を歩ませるのか、このままクローザーとしてキャリアを積ませていくのかについては明らかにされていない。

 いずれにせよ、セーブを記録するためには味方の援護が不可欠。リベラ氏がヤンキース打線から援護をもらったように、佐々木の背後には大谷を筆頭とするドジャースの強力打線が控えている。リベラ氏より3歳若く、頼もしい攻撃陣がいるとなれば、ギネス記録の更新も夢ではない。

 米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」は「リベラは殿堂入りした抑え投手で19シーズンの輝かしいキャリアでMLB記録となる652セーブ、防御率2・21を記録した。ヤンキースが5度優勝した決定的な要因は、彼を擁し、10月の防御率0・70という驚異的な数字にある」とし「佐々木の物語はまだ終わっていない。ドジャースはあと8勝すれば、野球史上25年ぶりの連覇となり、佐々木のルーキーシーズンがどう記憶されるかが決まる」と報じた。

 キャリアで最初の2セーブをいずれもポストシーズンで記録したのは佐々木がMLB史上初。低評価を実力ではね返した令和の怪物はどんな野球人生を歩むのか――。