今回の自民党総裁選(4日投開票)では下馬評を覆し、高市早苗前経済安保相が新総裁に選出された。本命視された小泉進次郎農水相は、なぜ逆転を許してしまったのか。元衆院議員の宮崎謙介氏が小泉氏の敗因となった陣営の失言騒動を明かすとともに、高市新総裁への期待を語った。

 決選投票では議員票で優位に立つ小泉氏が有利と思われたが、高市氏185票(議員票149票、都道府県票36票)、小泉氏156票(議員票145票、都道府県票11票)となり、女性初の総裁が誕生した。 

 小泉氏は1回目の投票でも議員票は80票にとどまった。宮崎氏は「当初は100票以上を予想していたが80票。20票のズレは大きい」と指摘した。

 影響を及ぼしたのが麻生太郎最高顧問の存在だ。党内で唯一残る派閥の会長は決選投票では、党員票の多い方の候補に入れるよう指示。事実上、高市氏支持を表明した形だ。この引き金となったのが小泉陣営から漏れ聞こえた〝重鎮切り〟だ。

 宮崎氏は「麻生さんは当初、小泉推しだったけど突然変わった。小泉陣営はすでに勝った気になり、小泉総理になったら自民党を立て直すのに重鎮はいらないと言って麻生さん切りを言い始め、麻生さんの耳にも入ってしまった。それが(投開票前日の)金曜日。皮肉なことに彼が一番大事にしていたチームに足を引っ張られた」と舞台裏を明かした。

 一方で高市新総裁について「国難の状況では高市さんでよかったと思う」と歓迎。保守色が強いが「守るべきものは守りながら進歩的な考え方もできる人。おちゃめな一面もあって、初めてごあいさつした時も『アンタ、イケメンやなぁ』と言われたのが印象的」とその人柄を語った。

 自民党は衆参両院で過半数割れしており、野党との連携がポイントとなる。小泉氏が水面下で進めていた維新との連立はいったん白紙に。衆院解散のカードも浮上するが「政治が前に進むかで判断した方がいい。連立の組み替えも信を問うことになるし、内閣不信任案が出されるんだったら解散すればいい。石破(茂首相)さんがやる解散には大義がなかった。信を問う状況になった時にやればいい。自分たちのためだけにやるのは国民不在だなって感じがします」と早期の解散に否定的な見解を示した。

 高市氏が力を注がなければならないのが、物価高対策だ。宮崎氏は「安倍(晋三元首相)さんでも苦労したのが対財務省。財務省的な経済対策から高市さん的な政策への転換を図れるか。そこが大きいと思います」と期待を寄せた。