ポスト石破を争う自民党総裁選(10月4日投開票)は小泉進次郎農水相がリードし、高市早苗前経済安保相が続く情勢とみられている。だが、最後までフタを開けてみなければ分からない。株式市場が期待するのは高市氏が女性初の総裁、首相就任での日経平均株価5万円の突破だ。空前の〝高市バブル〟の到来はあるのか――。

 日経平均株価は4万円超えの高値圏で推移していた中、今月7日に石破茂首相が辞任を表明してから次なるステージに入った。トランプ関税交渉が落ち着いたことや米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利引き下げなどに加え、昨年の総裁選で2位だった高市氏が次期首相への期待が高まる買いが入り、連日最高値を更新。〝高市トレード〟といわれ、25日終値は4万5754円で3営業日連続で最高値更新となっている。

 高市氏は安倍晋三元首相の「アベノミクス」の路線を継承する「サナエノミクス」を前回の総裁選で掲げた。今回も金融緩和、財政拡張路線を表明し、市場では歓迎する向きが多い。

 マネーライターの新井奈央氏は「株式市場は『新総裁誕生』をポジティブに捉え、織り込みに行っている状況。小泉総裁誕生なら、規制緩和や農政改革を中心に、ポピュリズム寄りの政策が重視され、市場では様子見スタンスが主流になる」と指摘する。

 続けて「この場合、相場が中長期で急落するような展開にはならないでしょうが、高市氏が積極財政や金融緩和など、株式相場にとってポジティブな政策を掲げているので、『高市トレード』の期待がはがれれば、目先は厳しい値動きとなるセクターはあるでしょう。特に防衛関連などは、短期的な調整を強いられるかもしれません。高市氏が総裁となった場合は相場の騰勢は長引き、短期的には『日経平均5万円』の瞬間が訪れても不思議はありません」と未知の領域とされる5万円の壁を超える可能性を予測した。

 ただ、目先では株価の高騰が見込める一方で、アベノミクスのような長期的な上昇トレンドに乗せるのは簡単ではないとみる。

「日経平均株価の予想PER(株価収益率)は18倍台で、過去相場においてもかなり高い水準。投資家は売りを仕掛けるきっかけ待ちで、何らかの契機で、売りが売りを呼ぶような相場の暴落局面が到来する可能性も否定できません。長期的には、やはり『芯となる政策が何か』次第ですが、小泉氏当選で高市総裁誕生の期待感がはがれることで相場が下落し、それが〝進次郎ショック〟となる可能性はあります」

 総裁選で各陣営は党内融和、野党との協力をにらんで、大胆な政策を打ち出さない慎重な姿勢に徹している中、週刊文春は小泉陣営がヤラセの書き込みをしていた〝ステマ疑惑〟を報じ、高市陣営からクレームの声が上がるなど過熱している。果たして、勝利の女神はどちらにほほえみ、市場はどうジャッジするのか――。