ドジャースの屋台骨を支えてきたフロントの「頭脳」が揺らいでいる。米メディア「スポーツ・イラストレイテッド(SI)」によれば、ドジャースのジョシュ・バーンズ上級副社長(54)がナショナルズの新GM候補に浮上。他の同候補者であるカブスやダイヤモンドバックスの幹部と並び、すでにナショナルズ側から連絡を受けていると報じられた。

 バーンズ氏は2014年からドジャースに在籍し、アンドリュー・フリードマン編成本部長(48)の右腕としてスカウティングや育成を統括。地区優勝9度、リーグ優勝4度、ワールドシリーズ制覇2度(20年・24年)の黄金時代を築き上げた功労者だ。かつてはダイヤモンドバックスやパドレスでGMを歴任、さらにはレッドソックス在籍時にGM補佐として04年の86年ぶり世界一にも関与した実績を持つ〝球界歴戦の知略家〟である。

 ナショナルズは7月にマイク・リゾ前GM(64)を解任し、新体制を模索中。地元ワシントンD.C.出身のバーンズ氏に白羽の矢を立てるのは自然な流れともいえる。さらにオリオールズも幹部人材を探しており、バーンズ氏の東海岸復帰の可能性は現実味を帯びてきた。

 仮に流出となれば、ドジャースにとっては痛手だ。大谷翔平投手(31)が加入して2年目の今季もナ・リーグ西地区首位争いを繰り広げているが、先発陣の故障や打線の不安定さなど課題は多い。そんな中でフロントの中枢が欠ければ、来季以降の補強戦略や育成方針に影響が及ぶのは必至と評していいだろう。

 ドジャースに近いMLB関係者からは「今や大谷は〝ドジャースの顔〟であると同時に、経営戦略の象徴でもある。大谷を中心にチームを勝たせる環境を整えてきたのが、バーンズ氏ら幹部の力。その一角が崩れるとなれば、ドジャースの戦力バランスにも陰りが出かねない」と懸念の声も漏れ伝わっている。

 フリードマンCEOの下、強大な補強力と育成力を兼ね備えた〝西海岸の帝国〟ドジャース。その頭脳流出の動きは、シーズン終盤の戦いと同じく予断を許さない状況となってきた。