米下院で9日、3回目となるUFO公聴会が開催された。「未確認異常現象(UAP)の透明性と内部告発者保護を通じた国民の信頼回復」と題した公聴会で、新たな証言、新たな証拠が提示され、議員らの議論が深まった。
米連邦機密情報解禁タスクフォースの委員長であるアンナ・パウリナ・ルナ下院議員(共和党、フロリダ州選出)が司会を務め、UAPの調査における連邦政府および情報機関の透明性の欠如を指摘し、こうした国家安全保障上の脅威に対して正式かつ公的に取り組む重要性を強調した。
今回の公聴会には、空軍退役軍人ジェフリー・ヌチェテリ氏、現役海軍アレクサンドロ・ウィギンズ主任、UAPジャーナリストのジョージ・ナップ氏、空軍退役軍人のディラン・ボーランド氏、そして政府監視プロジェクの上級政策顧問ジョー・スピルバーガー氏という5人の証人が参加した。
ナップ氏は冒頭で「自身は内部告発者でも直接のUFO目撃者でもないが、このテーマを38年以上調査してきた。自分の関心は宇宙人を信じることではなく、文書、記録、証拠に基づいて、公的な説明と矛盾する内容を報道するという、ジャーナリズム上のテーマを扱うことにある」と話した。
ナップ氏によると、調査は情報公開法(FOIA)を通じて入手した政府文書から始まったという。そこには、空軍、CIA、FBI、NASAといった機関の内部情報が含まれており、多くのUFO報告が実在のものと見なされ、優れた飛行能力を示していることが記されていた。これは公に伝えられてきた説明とは正反対の内容であり、この公的説明と内部記録の乖離が、自身をジャーナリストとして追及に駆り立てたと説明した。
その上でナップ氏は、UFO墜落機体の回収やリバースエンジニアリング(機械を分解し、構造を分析すること)、エリア51の一部であるS―4施設で働いていたと主張するUFO陰謀論者ボブ・ラザール氏へのインタビュー、米政府が資金を提供し実業家ロバート・ビゲロー氏が運営したAAWSAP計画を取り上げた。AAWSAPは数百人の研究者を雇い、人間への影響を含む膨大なUFO事例のデータを収集していたという。
ナップ氏はまた、情報を提供した関係者が脅迫を受けた事例についても述べ、ほのめかしによる警告や監視といった形で圧力が加えられ、調査に関わる人々が直面するリスクを強調した。
最後にナップ氏は、米国とロシアの双方がUFOについて広範な研究を行ってきたとして、その多くはリバースエンジニアリングや未知の素材の調査を含み、今なお機密扱いとなっていると説明した。
全てのUFO公聴会をチェックしてきたUFO研究家の竹本良氏は「一昨年の1回目のMVPは、退役将校デイビッド・グルシュ氏、昨年の2回目は元国防総省職員ルイス・エリゾンド氏、そして今年はジョージ・ナップ氏で決まりです。ロズウェル事件からすでに78年。UFOの歴史はそれなりにあり、研究調査も結構あります。ナップ氏はUAPが核施設やミサイルサイトに頻繁に出現することやレーガン・ゴルバチョフ会談も話題にいれつつ、ロシアや中国などのUAP戦略にも触れました」と指摘する。
さらに竹本氏は「また今回も公聴会を通して、UAPを当たり前のようにNHI(ノン・ヒューマン・インテリジェンス=非人間的知性)やETI(エクストラ・テレストリアル・インテリジェンス=地球外知性)と結びつけていたことも印象的です。今、日本では新総裁選で大騒ぎですが、NHI、ETIを語れる政治、つまり宇宙人を討論できる宇宙政治が求められているのではないでしょうか」と提言した。












