欧州主要リーグにおける今夏の移籍期間が1日に締め切られた。MF堂安律(27)は、ドイツ1部フライブルクから、同1部の名門Eフランクフルト入りするなど、ステップアップを果たした日本人選手は少なくない。そんな状況を踏まえ、元日本代表MF前園真聖氏(51=本紙評論家)が、堂安のケースに注目。来年に北中米W杯を控えるタイミングとしては〝理想の形〟だという。

 堂安は、元日本代表主将・長谷部誠氏がEフランクフルトで背負った20番を引き継いだ。フライブルクでの活躍が大きく評価されての待遇だろう。期待を背負っての入団はプレッシャーにもなりかねないが、それを力に変えることができるのが日本代表の10番。8月30日に行われたリーグ開幕2戦目のアウェー・ホッフェンハイム戦でいきなり結果を残した。

 移籍後のリーグ戦初ゴールを含む2得点を挙げ、1アシストも記録してチームを3―1の勝利に導いた。現地ではそのプレーぶりから元オランダ代表の〝レジェンド〟アリエン・ロッベン氏をほうふつさせるとの報道もあったほどだ。

 北中米W杯開幕まで1年を切っており、今夏の移籍は難しい判断を迫られていた。仮に上位クラブに移籍できたとしても、出場機会を得られなければ、日本代表から遠ざかることもあるからだ。

 ただ、堂安の場合は大正解だった。前園氏は「同じリーグでのステップアップですと、リーグのサッカーもよく理解していますし、それぞれのチームの立ち位置とかもわかっているので、本人は自信を持って移籍することができます。それに周りの評価も確立していますので、出場機会も得やすくなると思います」と解説した。

 もちろん異なるリーグを選択しても成功につなげることはできる。しかしリスク回避という意味で、前園氏は「W杯シーズンは、同一リーグのステップアップという形が一番いいのかなと思います」との見解だ。まさに〝堂安ルート〟は理想の形だったわけだ。

 その上で、スタッド・ランスのフランス2部降格で、ベルギー1部ゲンクに復帰したMF伊東純也や、ドイツ2部に降格したキールから同1部ボルシアMG入りしたFW町野修斗も同ケースに挙げた。

 同氏が「選手にとって重要なのは試合に出続けることです」と強調するように、やはりプレータイムの確保がコンディション維持に必要不可欠。堂安は22年カタールW杯で強豪ドイツとスペインからゴールを奪っており、大舞台に強い。来年は今季の活躍を引っさげて、さらに頼れる選手になっていくのか。