ソフトバンクの牧原大成内野手(32)が好調な打撃で存在感を示している。8月は10日の日本ハム戦(みずほペイペイ)から14試合連続安打を記録するなど、月間打率は4割1分5厘。規定未到達ながら安打数はチームトップで、打率も3割2分まで上昇した。

 打線がやや湿りがちなホークスにおいてその存在は頼もしい限りだが、それだけではない。パ・リーグ首位打者の可能性も浮上している。現在リーグの3割打者は楽天・村林(3割9厘)、オリックス・太田(3割5厘)の2人のみ。こうした状況も相まって、規定打席に到達していない牧原大、オリックス・西川が〝隠れ首位打者候補〟に浮上している。

 西川は牧原大よりも規定到達の可能性が高い。一方、牧原大が規定到達までに必要な打席数は「116」。シーズンの残り試合数が「28」であることを考慮すると、到達は微妙なラインだが、仮に規定をクリアせずともこのまま好調を維持すれば、プロ野球史上初となる「認定首位打者」(不足分を凡打として計算)も見えてくる。

 個人タイトルがちらつく状況下にあって、牧原大が意識を向けるのは打撃ではない。27日の楽天戦(秋田)の試合前、チーム関係者が牧原大にこの日のテーマについて聞いたところ、間髪入れずに回答が返ってきたという。「守備を全力でやる」。もともと守備や走塁を武器に育成からはい上がってきた背番号8。かねて「守備がなくなったらチームにも入れない」と語るように、二塁を中心とした守りへの意識は人一倍高い。打ち出の小づち状態でも、その回答にはこだわりが見えた。

 攻守で存在感を発揮する牧原大。自らの武器を日々再認識し、凡事徹底の先に勲章が待っているはずだ。