令和版・東洋の魔女が快進撃だ。バレーボール女子日本代表は27日に行われた世界選手権(タイ)1次リーグH組最終戦で、大会連覇中の強豪セルビアをセットカウント3―1で撃破。3戦全勝の首位で決勝トーナメント進出を決めた。躍進の原動力となっているのは、今年から指揮を執る若き名将フェルハト・アクバシュ監督(39)だ。チームを変革した〝魔法の言葉〟とは――。

 日本は第1セットを接戦の末に25―23で先取すると、第2セットは大熱戦でデュースの末に30―28でもぎ取る。第3セットこそセルビアの底力で取られるも、第4セットは気持ちを切り替え序盤から優位に進め、25―18と奪取。2連覇中のセルビアを相手に勝ち切った。エースで主将の石川真佑がチーム最多の19得点と躍動。もう一人の大砲、和田由紀子も15得点と大活躍した。

 今大会の日本は、23日の初戦カメルーン戦でストレートの圧勝発進。続く25日のウクライナ戦では、0―2の崖っぷちから怒とうの猛反撃を見せて3セットを連取する離れ業を見せ、大逆転で勝利をつかんだ。

 そしてこの日は連覇中の女王セルビアを撃破と劇勝が続き、列島にフィーバーを巻き起こしつつある。1次リーグ首位突破を果たした日本は、29日の決勝トーナメント1回戦でA組2位の開催国タイと激突する。

 トルコやクロアチアで女子代表を率いた名将の就任後、日本は着実に進化。新体制で初の国際大会となったネーションズリーグで4位と上々の結果を残した。そして今大会ではさらなる成長を見せ、15年ぶりのメダル獲得、51年ぶりの優勝へ期待は高まるばかり。かつて常勝だった「東洋の魔女」が令和の時代に復活しようとしている。

 チームを一変させたのがアクバシュ流の指導法だ。石川はこう証言する。「やっぱり日本は他の国より高さもないし、今までベースとしては『ミスを減らす』ということは言われているが、フェロー(アクバシュ監督の愛称)になってから『ミスしてもいいからトライする』とか、『アグレッシブに攻める』ということは言われている」。ポジティブ思考を強く植え付けることで選手の積極性をより引き出し、短期間でチームが見違えるように変わったのだ。

「それぞれ(の選手)が思いきってできていることも増えてるなって思っている。もちろんミスしてはいけない場面もあるが、でもトライする気持ちは常に全員が持てているかなと思ってて。そこは、このチームになってからすごくいいかなと思っている」と主将も変化を実感している。

 フェローマジックで半世紀ぶりの頂点へ――。令和の魔女たちが世界最高峰の舞台で進撃を続ける。