おしゃれハードラーの素顔とは――。陸上の世界選手権(9月13日開幕、東京)女子100メートル障害で代表を確実にしている中島ひとみ(30=長谷川体育施設)がインタビューに応じ、大舞台への思いを語った。かつては〝消えた天才〟とも呼ばれながら、最愛のパートナーの支えもあって完全復活。華やかさと実力を兼ね備えた期待の星は〝勝負ネイル〟で世界最高峰のスタートに立つ。

 ――7月の海外レースで日本歴代2位の12秒71をマーク。世界選手権の出場を確実にした

 中島 周りの方々、全然見知らぬ方々からも競技場とかで「世界陸上頑張ってください」「応援しています」などと声をかけていただいたり、取材でお話しする中で徐々に実感が湧いてきました。切磋琢磨してきたメンバーたちに恥じない走りをしたい。日本の代表としてハードルの魅力を届けていきたいですね。

 ――男子400メートル障害の豊田将樹(富士通)との結婚も一つの転機に

 中島 自分の弱さも全て見せられる、そういう場所を作ってくれているというのが、アスリートとして、一女性として、心の安定にもつながっています。陸上のことも話せるのはすごくありがたいし、やっぱり自分の考えだけでは一つの道しかないかもだけど、もう一つ人生を味わっている気持ち。戦友でもあり、家族でもあり、親友でもあるので、本当に何でも話せる関係性です。

 ――心に残っている言葉はあるのか

 中島 私の可能性をずっと感じてくれていて、12秒台を出せていない時も「日本記録を出せるポテンシャルがあるよ」とずっと言ってくれていました。私は「いやいや無理だよ」と言っていたけど、身近な存在が自分を信じてくれる、アスリートとしても魅力を感じてくれているのはうれしいことだし、一つのやりがいになっていました。

 ――おしゃれなネイルや髪形も注目される

 中島 どう思われるか正直わからない部分もあるし「アスリートだからあまりメイクとかもしない方がいい」というコメントも見たけど、おしゃれもアスリートのモチベーションの一つだと思っています。メイクとかでアスリートとしての自分を新たに作ることがモチベーターになっています。試合前は絶対にネイルやヘアカラーも行って「よし頑張ろう」と気持ちを切り替えています。

 ――世界選手権用のネイルは決めているのか

 中島 今大会はサンリオさんとコラボしているので、ハローキティのネイルで行こうと思っています。スタートにつく時とかにネイルが見えるので、気合を入れるというか、大事な試合の時はギラギラに派手にやっていますね(笑い)。

 ☆なかじま・ひとみ 1995年7月13日生まれ。兵庫県出身。中学1年時に陸上を始めると、2年時には100メートル障害で全国中学校体育大会に出場。3年時は同大会で日本一に輝いた。高校進学後も数々の好成績を残したが、3年時に重圧から体調を崩し、長きにわたり思うような走りができない時期が続いた。2024年秋に日本人女子7人目の12秒台を出して復活を印象づけると、23年7月には世界選手権の参加標準記録(12秒73)を上回る12秒71をマークした。163センチ。