第107回全国高校野球選手権大会の第10日(15日)の第2試合は西日本短大付(福岡)が聖隷クリストファー(静岡)を下して3回戦に進出した。

 試合を決めたのは主砲の一撃だった。8回に同点に追いつかれた直後、苦戦を強いられていた相手先発の高部(2年)から先頭の3番・斉藤(3年)が左前打で出塁すると、4番・佐藤仁(3年)が142キロの高めのストレートを力で弾き返し、左越えの適時二塁打で勝ち越し。ベンチが大騒ぎとなった。

「みんなで勝ち取った勝利。今日は自分のいいところが出ていなかったので自分が打たなきゃ、と思った。信頼して4番に置いてくれていると思うので、この場面はバントではなくヒッティングと思った。高めの真っすぐだけを狙っていて芯に当たって、ボール球でも自分のパワーなら行くだろうと。やってやったと思った」と佐藤は胸を張った。

 先発左腕の原綾汰(3年)が8回途中まで6安打無失点の奮闘を見せたが、クリーンアップが凡退続き。「ここは自分がチームを勝ちに導くしかないと思った」。屈強な見た目に似合わず、幼少期に海外で生活していたことで英語が堪能で読書家。多彩な才能を持つ主砲が、4打席目の意地の一振りでチームの危機を救って見せた。

 西村監督も「素晴らしいゲームで勝利できてうれしい。簡単にいかないだろうという中で打ったバッターが素晴らしかった。よくあそこで斉藤、佐藤が打ってくれた。そこまで全部ボールに手を出していたので〝もったいないぞ〟とは言っていた。軸のバッターですからチームが困った時に、というのは日ごろから言っていましたので」と目を細めた。2年連続で3回戦進出。1992年以来の2度目の全国制覇を見据えている。

逆転タイムリーを放った佐藤仁
逆転タイムリーを放った佐藤仁